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NYの視点:2018年のドル安見通し


2017年のドルは通年で8%下落した。5年ぶりのドル安相場となる。新債券王として知られるダブルライン・キャピタルの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のジェフリー・ガンドラック氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げを受けて、ドルは2018年も下落するとの見通しを示している。

トランプ政権が実施する税制改革が経済に与える影響は不透明、かつ限定的との見方が台頭している。80年代にレーガン政権が実施した税制改革では、個人に対する減税を柱としたため消費が加速、景気拡大を助けた。一方で、トランプ政権による税制改革では、法人税減税が柱となっており、経済効果は限定的との見方も少なくない。

また、ビジネスマンであるトランプ大統領誕生以降、大統領が掲げていたアジェンダ成立、成長ペースの加速をすでに織り込み済みとの見方もドル安見通しの背景となっている可能性がある。米国の貿易赤字縮小を目指すトランプ政権がドル安を好んでいるとの見方も根強い。米国債市場での利回り曲線の平坦化が景気後退を示唆するとの見方も根強い。北朝鮮、中東情勢など、緊張が高まっていることもリスク要因となり安全資産である米国債に引き続き資金が流入する。

一方で、トランプ政権は2018年には早速、インフラに取り組むと見られている。超党派の支持も予想され一段と景気を支援する可能性がある。また、2018年の米連邦公開市場委員会(FOMC)はタカ派に傾斜する見通し。ドル買い材料も多い。トランプ政権による経済政策が予想以上の効果をもたらした場合、過小評価されている分、ドルの急騰につながる可能性もある。



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