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「先物取引」とは?初心者にもやさしい入門講座!(6)ゴムの取引(馬渕磨理子)


こんにちは!フィスコマーケットレポーターの馬渕磨理子です。

「先物取引」の入門講座で少しずつ先物取引の魅力をお伝えしています。株などと比べて馴染みがない、仕組みが難しそう、などなど、色々あると思います。ですが、学んでいくうちに、先物取引にしかない魅力があり、面白さがあるということがあります。それを知らないのはもったいない!ということで、“「先物取引」とは?初心者にもやさしい入門講座!”として、基本から一緒に学んでいきましょう。
今回は、ゴム取引について具体的に見ていきます。

■ゴムの特徴
ゴムの特徴は何といっても、季節的な特性に影響されることです。季節性とは意外かもしれませんね。ゴムの樹が落葉する4月から6月にかけては採液量がもっとも減少して需給が引き締まり、その結果、傾向的に天然ゴム価格が値上がりしやすくなります。一方、10月から12月は多雨期となり、その後翌年1月から3月にかけて採液量が増えます。そのため、需給が緩和して価格が値下がりしやすい傾向があります。季節性以外にも、消費面では世界最大の天然ゴム消費国である中国やインド、ブラジルなど新興国の新車販売などの影響を受けます。ほかにも、日米欧の景気動向や、天然ゴムと競合関係にある合成ゴムの原料となる原油価格の影響を受けるのも特徴だと言えます。

■価格変動の要因(指標など)
では、ゴムの価格はどのような要因で変動するのでしょうか。例えば、日本は天然ゴムの100%を輸入に依存しています。そのうちの8割以上を自動車タイヤの生産に使用しています。このためゴム価格は、国内の景気動向だけでなく、東南アジアの生産動向や世界的な需給の影響を受けやすい構図になっています。国内の需給状況を測るうえでは、日本ゴム輸入協会が10日ごとに発表する「天然ゴム営業倉庫在庫推移」が知られています。また東京商品取引所(TOCOM)でも指定倉庫の入庫、出庫、在庫等のデータを公表しています。ほかにも財務省関税局の「貿易統計」、経済産業省の「ゴム製品統計」、日本自動車協会の「自動車タイヤ・チューブ生産、出荷、在庫実績」、日本ゴム輸入協会の「月別天然ゴム輸入統計」なども参考になります。こういった指標の動向によって価格が変動しますので、関連指標のチェックは必須です。また、ゴムの基本的な需要は自動車の生産・販売台数に左右されます。自動車の生産・販売をけん引するのは世界の景気です。こうした観点にも注目してみてください。

また、今や世界最大の自動車生産国・天然ゴム消費国となった中国の動静は見逃すことができません。もちろん世界第2と第3の自動車生産国である米国と日本の景気も大きな要因です。こうした観点からいうと、タイヤメーカーや自動車メーカーの株価とゴム先物価格の関係を調べるのもおもしろいかも知れません。

■最近の動向
現在は、秋から翌年1月から3月にかけての採液量が増える時期で、価格が下がりやすい状況にあります。世界的な需給の緩みを意識して、ゴムが売られています。主要産地のタイは増産期に向けて現物価格が下落しており、東京のゴムも下落している状況です。東京ゴムは2017年の1月31日に366.7円を高値とし、現在は200円付近の往来となっています。

ここで、ゴム相場のポイントをおさらいしましょう!

■4月から6月にかけては採液量がもっとも減少して需給が引き締まり、ゴム価格が値上がりしやすくなります。一方、秋から翌年3月は雨期で採液量が増え、需給が緩和して価格が値下がりしやすい傾向があります。

■天然ゴム消費国である中国、やインド、ブラジルなど新興国の新車販売などの影響を受けやすいです。

■指標は、TOCOMの指定倉庫の入庫、出庫、在庫等のデータや、日本ゴム輸入協会が10日ごとに発表する「天然ゴム営業倉庫在庫推移」などを活用しましょう。

ゴム相場について、具体的なイメージを持っていただけたでしょうか!これからもご一緒に先物取引の基本を学んでまいりましょう!

“「先物取引」とは?初心者にもやさしい入門講座!”は、商品先物取引の基礎をフィスコの見解でコメントしています。

フィスコマーケットレポーター 馬渕磨理子





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