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中国の軍事専門家「北のミサイルは中米連携を促す」


 7月4日の米国独立記念日、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験の成功を宣言した。中国の軍事専門家・辛子陵氏は、北朝鮮のミサイル発射は米国と中国の連携を促したと分析している。

 韓国の聯合ニュースは、専門家の話として、今回北朝鮮が発射実験を行った大陸間弾道ミサイルが正常な角度で発射された場合、米アラスカまで射程範囲に含めた約6,400km先まで到達する可能性があると報じている。

 韓国大統領府高官は、韓国はこれからも最大限の力で北朝鮮に圧力をかけ続けると同時に、対話も模索するという立場を崩さないとしている。一方、トランプ大統領はSNSを通じて習主席に対して「中国は北朝鮮に対し徹底的に制裁を加え、このばかげた行為を徹底的に終わらせるべきだ」と強硬姿勢を示すよう求めた。

 中国外交部の報道官は「北朝鮮のミサイル発射に反対し、北朝鮮に国連安保理決議に違反するような行為をしないように促す」と発言している。

■専門家「金政権は来年まで持たない」

 中国体制内の軍事専門家で、軍事学院出版社元社長の辛子陵氏は大紀元の取材に応じ、「中米は金正恩にこれ以上好き勝手にさせるわけにはいかない。金政権は長く維持することはできないだろう。私は来年まで持たないとみている」と分析した。

 「北朝鮮問題は後回しにできない。米国だけでなく中国もそう思っている。今の中国にとって、厄介なお荷物でしかない。江沢民政権の時代に中国は北朝鮮を、西側勢力を削ぎ米国と交渉するための持ち駒の一つとして利用していた。だがその結果(北朝鮮問題は深刻化して)、中国は自分で自分の首を絞めることになった」。

■ミサイルと核 金正日総書記「中国へ向けたもの」と漏らしたか



 辛氏はまた、2009年8月にクリントン元大統領が北朝鮮を訪問した時に、当時の金正日総書記が側近に故意に口を滑らせて米国側に伝えたという北朝鮮の真意を挙げた。「弾道ミサイルや核兵器の開発は、米国に敵対するためではない。西へ向けている」。

 北朝鮮の西は中国である。つまり、米国に対し「我々が6カ国協議を離脱したのは中国の束縛から逃れるためで、米国に敵対するためではない。北朝鮮は米国との直接会談を望んでいる。米国が北朝鮮政策を転換させれば、いつでも外交政策を調整できる。米国が北朝鮮へ援助の手を差し伸べてくれれば、北朝鮮は中国に対抗する最強の砦となる」と北朝鮮は暗に示していた。

 辛氏は、金正恩が握っている核兵器の多くは、江沢民時代に中国から提供されたものだと認識している。「江沢民派は金正恩を、党の内部闘争を制するための持ち駒に利用しようと考えていた。江沢民は北朝鮮を訪問した際にも、北朝鮮を全力で支持するとの考えを表明している」。

 「さらに劉雲山や周永康といった江派高官はいずれも北朝鮮を訪問しているうえ、現職常委の江派の張徳江や張高麗は、金日成総合大学の卒業生だ。そのため、中南海内部で対北朝鮮政策を論議しようとすると、非常に厄介なことになる。なぜなら、彼らが北朝鮮の国益を代弁するからだ。このように、(政権内部は)複雑な形になってしまった」。

 辛氏は、この秋に開催予定の19大以降、新たな対北朝鮮政策が浮上するとみている。「習主席はすでに、北朝鮮の核開発を支援するという従来の政策を転換した。そのため、19大で江派の問題を徹底的に解決したら、習主席は新たな北朝鮮政策を打ち出すだろう」。

 今回の弾道ミサイル発射実験が行われる前日、トランプ大統領は安倍総理大臣と習近平国家主席とそれぞれ電話で会談し、北朝鮮問題について協議した。

(翻訳編集・島津彰浩)

【ニュース提供・大紀元】




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