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NYの視点:政権混乱が米税制改革実施に拍車


トランプ政権は発足後最悪の事態を受けて、逆に税制改革が年内に実施される確率が高まったたとの見方を、アナリストは強めている。今月初旬に米バージニア州でおきた白人至上主義団体と反対派の衝突の対応で、トランプ政権の信頼が大幅にくずれた。政権による税制改革やインフラ出動を進め、経済や企業の収益を押し上げる努力が、信頼を回復する上で、今後、非常に重要となる。

米バージニアでの衝突をきっかけに、良好であったトランプ政権と大企業の関係に亀裂が生じた。大統領に助言する製造業の最高経営責任者(CEO)から成る評議会のメンバーの辞任が相次ぎ、米企業首脳らで構成する2つの大統領助言組織が解散に至った。政権内の主要要人の辞任にもつながるとの憶測も浮上するなど、トランプ大統領就任以降で、最悪の事態となった。

白人至上主義団体に傾斜しているとされたバノン主席戦略官の解任をもって、トランプ政権は混乱を鎮静化させたい意向。そんな中、国家経済会議(NEC)のコーン委員長やムニューシン財務長官が指揮をとっている税制改革がまとまりつつあり、年内の成立が可能となるとの報道には勇気づけられる。コーン委員長やムニューシン米財務長官は超党派の支持を得て、11月の感謝際までにめどをつけたい考え。

2018年に中間選挙を控え、政権が掲げている税制改革などの経済政策を実施することができなければ共和党が下院で過半数を失う可能性も指摘されている。共和党議員にとっても2018年の中間選挙で生き延びるカタリストにもなりうる。このため、2018年以前に議員は、ヘルスケア案で合意することにより予算にめどをたて税制改革を実施、景気の押し上げを図ることがいかに重要であるかに気づくことになる。

シティグループは、税制改革の実施は困難だが、減税の実施は可能だと指摘。法人税は現行35%から大統領が共和党下院が示していた15−20%ではなく25%に引き下げられると見ている。ムニューシン米財務長官は「一時的よりも恒久的な減税が好ましい」「一時的な減税は何もしないよりもまし」と指摘。トランプ政権にとり今後4ヶ月あまりが勝負となる。



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