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NYの視点:円持ち売り減少、ECB総裁、FRB議長講演に注目


今週もトランプ政権の動向、地政学的リスクの上昇で引き続きイベントに注意した展開となる。また、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでのドラギECB総裁、イエレンFRB議長の講演に注目が集まる。そのほか米国では住宅関連指標や国内総生産(GDP)を左右する耐久財受注が相場材料となる。住宅市場は相変わらず供給不足で価格が上昇。販売が限定的となっている。また、耐久財受注も−に転じると見られており、ドル売り圧力になると見られる。

25日の講演では特にドラギECB総裁の発言に注目が集まる。9月の定例理事会の開催を間近に控えて、ドラギ総裁は量的緩和(QE)プログラム縮小の発表を示唆するとの見方が強まっていた。しかし、最近の報道で、ドラギ総裁がこの講演で、新たな政策指針を示さない公算だという。また、前回会合の議事要旨で委員がユーロの過剰な上昇を懸念していることが明らかになっており、速やかなテーパリングの可能性は低下。インフレも上昇している確固たる証拠が見られないとしている。政策の変更が示されないと、ユーロ売りに拍車をかける可能性がある。

イエレンFRB議長は金融安定に関する講演を行う。米国金融政策に関しては、次回9月のFOMCでバランスシートの縮小が発表されることがほぼ確実視されている。ただ、インフレや年内の利上げに関しての見方が分かれたまま。一時的項目がインフレを抑制しており、インフレはやがて目標2%に向けて上昇する基調にあるというのが基本的シナリオ。しかし、イエレンFRB議長が講演で、年内あと一回の利上げを躊躇する発言をすると、ドル売りが再燃する。

バノン主席戦略官の解任で、トランプ政権の混乱が鎮静化するとの期待が広がった。政権の混乱で実施も困難と警戒されていたトランプ政権が掲げている税制改革、インフラ、オバマケア廃止・代替法案といった経済政策も、コーンNEC委員長やムニューシン米財務長官が政権に留まることで、前進することが期待される。また、議会が夏季休会から戻ると、債務上限問題も解決が必要となる。

バノン主席戦略官が自身の進退をめぐりジョン・ケリー大統領首席補佐官と18日で任期を終了することで合意したとホワイトハウスが発表。白人至上主義を巡る死傷事件を受け、極右、同主義との関連が指摘されているバノン氏の解任で、トランプ政権が落ち着きを取り戻す可能性がある。

「双方に非がある」としたトランプ米大統領の発言を受けて、共和党の中でも有力議員であるコーカー上院議員は「大統領は自身の役割を吟味する必要がある」とコメント。2012年の共和党大統領候補で、トランプ政権の国防長官候補ともなったミット・ロムニー氏もトランプ氏の発言を批判していた。こうした発言が圧力となり、トランプ大統領はバノン氏の解任を決定したと見られる。

■今週の主な注目イベント

●米国
20日まで、NAFTA再交渉の第1回会合
23日:カプラン米ダラス連銀総裁講演
24日:ワイオミング州、ジャクソンホールでカンザスシティー連銀が年次シンポジウム開催
25日:イエレンFRB議長、金融安定に関して講演、ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム、7月耐久財受注:予想前月比‐6.0%(5月+6.4%)

●欧州
25日:ドラギECB総裁がジャクソンホールで講演

●地政学的リスク
北朝鮮
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
トルコ




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