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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆政治の微妙な陰◆



〇上値攻防に陰落とす政治攻防〇

日米株価は高値圏攻防にある。主戦場は米債市場にあると見るが、一気に高値を更新する勢いにないのは、政治攻防が陰を落としているためとの見方がある。基調変化には至らないと思われるものの、先行き不透明感の話題として取り上げられがちだ。

11日のNY市場は、午前に一時急落した後持ち直し、ほぼ横ばいで戻って来た。急落はトランプ氏長男のロシア人弁護士接触問題を嫌気してのものとされ、仕掛け的な動きが出た可能性がある。その後持ち直したのは、共和党マコネル上院院内総務がオバマケア代替案を来週採決し、主要法案審議や指名人事のため、8月休会時期を初旬から3週目に先送りすると発表したことによる。漂うような印象になっているが、トランプ政策を巡る強弱観が活きているものと考えられる。

もっとも、大きな注目点は12-13日に行われるイエレンFRB議長の半期に一度の議会証言。話題性はないが、次回FOMCが7月25-26日に予定されており、次回利上げ攻防が底流にある。この日はブレイナードFRB理事、ミネアポリス地区連銀総裁の「利上げ慎重姿勢」が伝えられ、ドルが軟化したが、6月公定歩合引き上げは9連銀が引き上げ、3連銀が据え置き主張だったことも報じられた。なお、米金利上昇のキッカケとなったECB出口論では、「18年7月までに利上げ」が短期金利市場の大勢とも伝えられた。

国内では、都議選惨敗、内閣支持率急落で内閣改造が大きな焦点となっている。共同通信によると、8月3日実施、半数以上入れ替えの大幅改造を検討と伝えている。焦点の一つ、岸田外相の後任に茂木自民政調会長の名前を挙げている。

ポスト安倍の思惑を絡めた憶測だが、政治ジャーナリストの歳川隆雄氏がユニークな見方を示している。5日付の主要官庁の定期人事異動で、外務省審議官に山崎氏、経産省審議官に柳瀬氏が抜擢されたが、両氏はともに麻生内閣時の首相秘書官。財務省でも同じ首相秘書官だった浅川財務官が留任した。籠池問題の財務官僚も出世した。3人は対外経済交渉実務責任者で、日米経済対話を仕切る麻生副総理が脇を固めたとの評価だ。また、麻生派入りした甘利氏の党役員復帰が噂され、籠池問題で麻生氏腹心の鴻池議員が登場したこと、加計問題で話題の蔵内・獣医師会長は福岡県議を8年30年務めた福岡県政のドン。麻生氏周辺人物が見え隠れしている。麻生氏が何を狙っているか分からないが、ポスト安倍では石破氏や岸田氏より実力者はオレと思っている可能性は十分。麻生氏の言動(例えば経済政策)には注意を払う必要がありそうだ。

政策的な動きが出るのは早くても1カ月先になる。企業の第1四半期決算が出て来るのは再来週以降。チョットした谷間で、7月オプションSQの攻防下にある。日経平均20000円と20500円の綱引きの攻防だが、需給要因主導の相場が続くものと考えられる。

以上


出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/7/12号)



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