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長期金利と米ドル高・円安急展開は「トランプ・ラリー第2幕」なのか?!


■要約

・独に連れ米長期金利も急騰。金利上昇要因に過敏に反応、金利上昇地合いの強さが特徴。
・長期金利と米ドル高・円安が急ピッチで展開する構図は「トランプ・ラリー」に類似。

■米ドル高・円安の理由と今後の行方

米ドル高・円安は、先週114円台まで進みました。これをうまく説明できるのは日米長期金利(10年債利回り)差でしょう。長期金利差米ドル優位が急拡大する中で、米ドル高・円安が大きく進んだわけです≪資料1参照≫。

□資料1=米ドル/円と日米10年債利回り差(2016年9月-)

ところで、日米長期金利差といっても、日本の長期金利は日銀が上限を抑制する政策を続けることで、基本的にはほぼ横ばいが続いているので、実質的には米長期金利で決まっています。従って、米ドル高・円安が進んでいるのは、米長期金利が上昇しているためということになります。
ではなぜ、米長期金利は上昇しているのか。先週は注目の米6月雇用統計が発表され、平均時給は予想を下回る伸びにとどまりました。この材料などは、これまでなら長期金利低下要因となってもおかしくないところでしょう。
先週にかけての米長期金利上昇は、むしろ独長期金利の上昇につられた面が大きかったようです≪資料2参照≫。独10年債利回りは、先週は一気に0.5%も大きく上回り、年初来の最高を更新してきました。

□資料2=米独10年債利回り(2016年9月-)

このような独長期金利の急騰は、6月下旬に、ドラギECB総裁が金融緩和見直しを示唆したとされる発言がきっかけとなりました。その直後に、マーケットはドラギ発言を誤解しているとの報道が流れるなど、金利急騰をけん制するかのような動きもありましたが、それも完全に無視されたような形となっているわけです。
以上のように見ると、最近の米独の長期金利急騰は、金利低下要因には反応せず、金利上昇要因には過敏に反応する点が一つの特徴ではないでしょうか。それは、金利上昇エネルギーの強さを感じさせるものではないでしょうか。
上述のように、米ドル/円は米長期金利と高い相関関係が続いてきました。それがこの先も続くなら、米長期金利が強い上昇エネルギーを抱えている可能性があるということは、米ドル高・円安もさらに続く可能性があるということになるのではないでしょうか。
米長期金利が急騰する中で、米ドル高・円安も記録的ピッチで展開したのは、昨年11月からのトランプ・ラリーと呼ばれた動きでした。今回も同じように米長期金利上昇と米ドル高・円安がハイピッチでさらに進むようなら、「トランプ・ラリー第2幕」といっても良いのではないでしょうか。
ところで、CFTC統計によると、投機筋の円売り越しが先週にかけて一段と拡大しました≪資料3参照≫。米長期金利上昇に伴う米ドル高・円安を、投機筋の米ドル買い・円売りが主導しているといった構図になっているのではないでしょうか。

□資料3=CFTC統計の円ポジションと米ドル/円

投機筋は、欧米などが金融緩和見直しに動こうとする中、日銀が引き続き金融緩和を継続している点に注目し、低金利の円を調達し、それを売ってより高い利回りの通貨で運用する、いわゆる円キャリー取引拡大に動いているとの観測もあります。
かつて、円キャリー取引が本格化した局面では、CFTC統計の円売り越しは10万枚を大きく上回って拡大しました。それを参考にすれば、投機筋の米ドル買い・円売りは一段と拡大に向かう可能性も十分にあるのかもしれません。(了)


【ニュース提供・エムトレ】




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