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NYの視点:米インフレへの判断分かれる


ブラード・セントルイス連銀総裁は、米ウォールストリートジャーナルとのインタビューで更なる利上げは必要ないが、FRBが保有している4.5兆ドル規模の資産ポートフォリオの縮小を速やかに開始すべきだとの考えを示した。同総裁は2017年の投票権を持たない。また、FOMCメンバーの金利軌道の予測は「不必要に積極的」との見解を示した。2年半あまりで、FF金利誘導目標が3%に達するとの予測は「不必要に積極的」との見方。

最近のインフレの低下が、「一時的」「ノイズの一部」との見方も否定しないものの、自身の考えでは、インフレの鈍化が広範にわたっている可能性があると警告。米国の10年債利回りが低下基調にあることや原油価格も再び下落していることなど、物価圧力が見られないと指摘した。本年の投票権を有するシカゴ連銀のエバンス総裁も、インフレの低下が一時的である証拠が見られるまで、利上げを待つべきだとの考えを示している。

カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は6月のFOMCで、インフレが目標に満たない中での利上げは間違いとの見方から、利上げ決定に反対票を投じた。また、やはり投票権を有するカプラン米ダラス連銀総裁は、さらなる利上げを支持するにはインフレに更なる改善が必要だとの見解を示した。

一方で、連邦公開市場委員会(FOMC)の中でも影響力が強いと言われる連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長や、NY連銀のダドリー総裁は、最近のインフレの低下が「一時的な項目が影響している」との判断を下し、タカ派姿勢を維持している。

市場もブラード・セントルイス連銀総裁と同様に、インフレ鈍化に関する懸念を払拭できないでいる。年内あと1回の利上げには懐疑的見方。米金利先物市場での12月までの利上げ確率は依然50%を割り込んだままだ。




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