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NYの視点:トランプ米政権、100日目目前で政策策定急ぐ


トランプ米大統領は就任後100日目を目前に控えて、主要政策案の策定に奔走している。28日に暫定予算が失効する前に一部政府機関の閉鎖を回避するための予算案を成立させること、ヘルスケア2.0、税制改革法案の具体策を今週中に提示することなどが期待されている。大統領は26日に税制改革案を発表することを約束したが、ムニューシン米財務長官、コーン米国家経済会議(NEC)委員長は25日、共和党のマッコーネル上院院内総務、ライアン下院議長と会合を催し、税制策の指針をまとめる。

トランプ米大統領は法人税に関して、15%までの引き下げを再表明。20%までの引き下げを指摘していた共和党下院のライアン議長と意見が対立する。国境税の導入なく、何らかの歳入の手段が見つからなければトランプ大統領が公約しているような大規模な減税は現状では困難との見方が大半を占めている。

こういった意見に反して、トランプ米大統領は財政赤字を拡大させたとしても、法人税を15%まで引き下げたいとの意向。ムニューシン米財務長官も今週のインタビューで、経済の成長が加速すれば、歳入が増え「自然に支出を補う」と説明した。しかし、議会を説得するのは難しい。税率1%の引き下げにつき、税収は今後10年間にわたり1000億ドル減少すると言われている。このため法人税を現行の35%から15%へ20%引き下げた場合、今後10年間の歳入は2兆ドル減少することになる。

予算案に関しては、民主党との交渉でメキシコ国境の壁建設資金の捻出が鍵となっている。100日目達成での政府機関閉鎖は何としても回避したいトランプ米大統領はメキシコ国境の壁建設の予算計上を、現在議会で協議が続けられている今年9月までの新たな暫定予算に盛り込むことを断念する可能性にも言及。メキシコの壁建設の予算計上は2018会計年度まで先送りされることになる。具体性に欠ければ、市場は再びリスクを回避する動きを再開することになる。

■今週期待される法案

●税制
法人税を15%まで引き下げ
育児・介護手当

●ヘルスケア2.0

●予算案

今週中に予算を成立し、一部政府機関の閉鎖が回避されるとの見方が強い。24日の時点では、トランプ大統領が選挙中から掲げている壁建設の費用創出は先送りすることにより、政府機関の閉鎖を回避することを最優先課題とし、民主党と歩み寄ると見られている。




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