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NYの視点:BOJ会合控えて、米国圧力で速やかな緩和策転換の可能性は低い


外為市場でドル・円の次のカタリストは日本銀行が予定している金融政策決定会合の結果だ。日銀はこの会合で政策金利を据え置く見込み。市場の注目は、日銀が果たして緩和策の解除を示唆するかどうかだ。ドイツの1月のインフレ率が2013年来の高水準に達するなど、欧州中央銀行(ECB)も量的緩和(QE)のテーパリングの憶測が根強かったが、ECBのドラギ総裁は「経済のリスクは依然下方」で、欧州経済には依然緩和策が必要だと強調。ECBが当面緩和策を維持する姿勢を再確認した。

トランプ大統領は選挙中、「人民元に対してドルが高過ぎるため、、米国の製造業は中国の製造業に勝ち目はない」と中国を通貨操作国に認定する意向を表明。2国間貿易交渉において、通貨操作に関する条件も盛り込まれるとの思惑がある中、日本銀行の緩和政策もリスクにさらされる可能性が指摘されている。ただ、現段階で、米国からの圧力を受けて、日本銀行が緩和策を速やかに終了するとは考えにくい。日本銀行は先週末、国債買い入れで5年超10年以下を4500億円に増額したばかり。会合や黒田日本銀行総裁が会見で、「緩和策の解除には程遠い」との方針を表明すれば安心感から円売りが再燃する可能性がある。

週初の市場では、トランプ米政権による貿易や移民政策に警戒感が強まりリスク回避の動きに拍車がかかった。トランプ大統領は27日。身元確認が間に合わないシリア難民や過去に問題のあった7か国のイスラム諸国からの入国を90日停止するとの大統領令に署名。「自由貿易」や「移民の国」を掲げている米国の根本的な政策が大きく転換するのではとの脅威につながったようだ。しかし永久的な追放ではなく、テロリスト排除のための厳しい検査システムが確立されたのち、入国禁止令は解除される予定。

米国の象徴ともいえる長期政策の大幅な転換につながるとは考えにくい。トランプ大統領は30日、規制に関する大統領令に署名。税制改革に関しても年内に実施できるよう議会と調整を進めている。したがってドルも底堅い展開が継続すると見る。





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