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日銀金融緩和策長期化で日米の実質金利差は拡大方向に向かうのか?


 日本銀行の黒田総裁は9月29日、欧州中央銀行(ECB)がオンライン形式で主催した金融シンポジウムに参加し、「新政権の政策にかかわらず、日銀は大規模な景気刺激策を維持する」との見解を表明した。黒田総裁は「日本経済の回復は継続し、今年末もしくは来年初には新型コロナウイルス感染拡大前の水準を回復する」との見方を示したが、インフレ率が目標の2%を大きく下回っているため、現行の金融緩和策を維持する必要があると指摘している。

 市場参加者の間では、日本の実質金利がただちに低下するとの見方は少ないものの、新政権は潜在成長率を引き上げることに注力することが期待されている。また、米国のインフレ鈍化の可能性があることから、一部の市場参加者は「日銀が現行の金融緩和策を長期間維持することによって、日米の実質金利差が拡大方向に向かう可能性は残されている」と指摘し、ドル高円安の流れはしばらく続くと予想している。
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