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売り一巡後の押し目狙いのスタンス


20日の日本株市場は、売り優勢で始まりましたが、次第に安定感が戻る見込みです。19日の米市場で、ロシアのプーチン大統領による核抑止力ドクトリンの改定が地政学リスクを高め、これが日本市場にも影響を与えました。日本市場の先物は下落しましたが、地政学リスクの重さにも関わらず下げ止まりました。これは短期的に日経平均株価が下支えされる要因となります。米国でエヌビディアが買われ、半導体株の一部が反発する可能性があり、東京市場でもテクノロジー株が下支えに作用することが予想されます。全体として、地政学リスクを背景に冷静に押し目を探るスタンスが見受けられる状況です。

*08:40JST 売り一巡後の押し目狙いのスタンス  20日の日本株市場は、売り先行後で始まった後は、次第に底堅さがみられてくる相場展開になりそうだ。19日の米国市場はNYダウが120ドル安、ナスダックは195ポイント高だった。ロシアのプーチン大統領は核抑止力の核ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和した。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりが重荷となった。また、低調な住宅着工件数を受けて経済成長への懸念も高まった。一方で、エヌビディアが決算発表前に買われるなか、ナスダックは上昇。シカゴ日経225先物清算値は大阪比145円安の38275円。円相場は1ドル154円50銭台で推移している。

 日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢の展開から始まりそうだ。日経225先物はナイトセッションで開始後ほどなくして急落し、米国市場の取引開始直前には一時37710円まで売られる場面もみられた。ロシアの核ドクトリン改定の報道をきっかけにショートの動きが強まったとみられる。ただし、その後は下げ渋る動きとなったほか、為替市場も落ち着いている。

 地政学リスクが重荷となるだろうが、日経225先物は一気に75日線水準まで下落した後は下ヒゲを残す形で200日線水準を回復している。アルゴリズム発動に伴う売買は一巡したと考えられ、売り一巡後の押し目狙いのスタンスに向かわせそうだ。また、米国では20日に決算を発表するエヌビディアが5%近く買われた。決算期待というよりは、持ち高調整に伴う買い戻しとみられるが、東京市場においても足もとで半導体株の弱さが目立っていたこともあり、いったん買い戻す動きに向かわせそうだ。

 そのため指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を下支えすると考えられ、次第に底堅さが意識されてくる可能性はある。また、エヌビディアの決算に対する投資家の関心は高く、ポジションを大きく傾けてくる動きは考えづらいところである。日経平均株価は足もとの調整で需給状況は売りに傾いていると考えられ、冷静に押し目を拾うスタンスに向かわせそうだ。また、インデックスに絡んだ商いに振らされやすい可能性もあるため、個別の材料を手掛かりとした短期的な値幅取り狙いの動きになろう。
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