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買い一巡後は香港情勢に警戒視


 30日の日本株市場は、買い優勢の展開から始まろう。29日の米国市場では、NYダウが580ドル高だった。全米で新型コロナ感染者数が急増していることを受けて朝方は概ね前日終値の水準で寄り付いたものの、航空機メーカーのボーイングが運航停止となっている737MAX機について、複数の修正に関する安全性評価の審査が完了し試験飛行を開始したことが好感され急伸し、NYダウを押し上げる格好となった。また、ハイテク大手にも買いが広がり引けにかけて上げ幅を拡大する展開となっており、この流れを引き継ぐ展開が意識される。シカゴ日経225先物清算値は大阪比285円高の22335円。
円相場は1ドル107円50銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買いが先行する格好となり、これまでのレンジでの推移が続くことになりそうだ。25日線が22356円辺りに位置しており、買い一巡後は同線を挟んでのこう着が意識される。ボーイングの上昇が勝った格好だが、全米規模で広がる新型コロナ感染者の増加は引き続き上値の重石となる。また、中国政府は、香港問題に関する言動が度を越えたと判断した米国人に対し、ビザの発給を制限する方針を明らかにしたと伝えられている。

 中国が香港での反体制活動を禁じる「香港国家安全維持法案」が30日にも成立する見通しであり、これを受けた香港市場や米中対立への警戒感から積極的な物色は手控えられる可能性がある。また、ニュースヘッドラインに対しても敏感な反応を示すことが考えられるため、先物主導による売り仕掛け的な動きには注視する必要がありそうだ。ただし、日経平均は200日線が支持線として意識されており、これまでのもち合いレンジ内での推移を想定。短期的な売り仕掛け的な場面から200日線に接近する局面においては、押し目狙いのスタンスとなろう。

 物色の流れとしては米中対立への警戒感から5Gの国内強化が意識されやすく、5Gに関連するハイテク株に注目。その他は、個人主体の中小型株への物色が続くとみられる。強いトレンドが継続している銘柄に対しては、利食いも出やすいところであろうが、需給面は良好であることから、調整局面では積極的に押し目を攻めたいところでもあろう。


<AK>

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