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日経平均は5日続落、景気と為替の両面からダブルパンチ


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;26508.73;-59.30TOPIX;1905.39;-0.20

[後場の投資戦略]

 前日の日銀金融政策決定会合は想定外のネガティブサプライズとなった。日経平均は下値支持線とみられた200日移動平均線を大幅に下抜け、ドル円も200日線を下抜けた。一方、本日の日経平均は短期的な戻りを狙った押し目買いや突っ込み警戒感からの買い戻しで、一時プラス圏に浮上するなど底堅い展開となっている。

 しかし、200日線を下抜けたことで下方向に弾みがついたドル円は今後さらに下落
(ドル安・円高)する可能性が高い。この場合、海外投資家から見たドル建ての日経平均のパフォーマンスが改善する一方、輸出企業の円安メリットの剥落がこれを相殺する形が考えられる。輸出企業の想定為替レートの平均値は1ドル=134円台とされており、足元のドル円がこれを大幅に下回り、今後120円台への突入も予想される中、円高進行は指数ベースでみれば全体的にややネガティブと捉えられる。

 今回の日銀の政策決定はこれまでの黒田総裁の発言内容からみて整合性があるとは言いにくく、唐突な印象が強い。今回、長期金利の上限を従来の0.25%程度から0.5%
程度へと拡大させた一方、金利の急上昇を防ぐために、長期国債の購入額を従来の毎月7.3兆円から毎月9兆円程度へと増額した。黒田総裁も緩和的な政策を引き締め方向に転じる意味を持つものではないとした。しかし、政策レジームの変更を見込んで金利の上昇を予想し、日本国債を売っていた海外投資家からすれば、今回の一件は実質的に「日銀に勝った」とも言える出来事で、味を占めてしまったと言える。今後も仕掛け的な国債売りを続けていくことが予想され、来年4月から新体制を迎える日銀の政策動向への影響が懸念される。

 米商品先物取引委員会(CFTC)が公表しているデータによると、投機筋の円ポジションは12月13日時点で、ネットで5万3188枚の売り越し。一時10万枚を超えていた売り越しからは半減しているが、依然として円売りポジションは大きい。今後、円買いに傾ける余地が多分に残されているといえ、投機筋による仕掛け的な売りでドル円が120円台へと突入する可能性もあろう。輸出企業にとっては今後の世界景気の減速に加えてのダブルパンチとなる。一方、今年前半に資源価格の高騰と歴史的な円安進行により打撃を受けていた内需企業にとってはコスト高圧力の緩和につながる。外部環境の不透明感が強まる中、ディフェンシブ性の高さからも内需企業は選好されやすいため、追い風が吹いてきた内需企業に今後はさらに注目していきたい。
(仲村幸浩)
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