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英中銀サプライズで下げ止まりもなお不安くすぶる


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;26238.32;+64.34TOPIX;1853.63;-1.52


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は地合いの好転を追い風に反発。ただ、前引けにかけて急速に失速しているほか、下向きの5日移動平均線には届いておらず、まだ自律反発の域を出ていないと言わざるを得ない。

 前日の米株式市場は久々の値幅を伴った反発となり、ようやく下げ止まり感が出てきた。発端は英イングランド銀行によるポジティブサプライズともいえる動きだった。英中央銀行は長期国債の無制限購入のほか、10月3日に予定されていた保有国債の売却、いわゆる量的引き締め(QT)の開始を同月31日まで遅らせることを明らかにした。これを受けて、英国債利回りの急伸が止み、一昨日まで4%近辺で推移していた米10年債利回りも3.7%台前半まで急低下。直近、株式市場の下落に繋がっていたグローバルな金利上昇に歯止めがかかり、金利低下を好感する形で株式の買い戻しにつながった。

 しかし、市場の疑心暗鬼は止んでいない。英国債利回りの急伸が止み、英通貨ポンド売りも一旦は止んだが、ポンド通貨の持続的な買戻しには至っていない。対ドルで1ポンド=1ドルのパリティ(等価)が近づくまでに下落していたポンドは、前日、1.09ドルまで一時上昇したが、足元では1.07ドル台にまで再び下落してきている。

 実際、いったんは通貨安・債券安の動きに歯止めをかけた今回の緊急対応策は手放しで評価できるものではない。英中央銀行がインフレ抑制のために利上げを行う傍ら、トラス新政権が財源の裏付けに乏しい大規模な財政政策を打ち出したことはインフレに拍車をかけかねない政策であり、マクロ経済政策として整合性に欠いている。
今回、英中央銀行は長期国債の購入とQTの延長により財政政策へ合わせる動きを取ったが、利上げ継続の方針に変わりはない。長期国債買い入れはあくまで一時的な措置であり、QTも中止されたわけではなく、1カ月程延長されただけ。長期国債の買い入れもマーケットへの資金供給を通じて最終的にはインフレ促進に繋がりかねず、依然としてマクロ経済政策の不整合性を解消できていない。再び、ポンド売りが強まり危機的様相を帯びる可能性もゼロではないと言える。

 仮にグローバルな金利上昇を通じた株価バリュエーションであるPERへの低下圧力が前日をピークに止んだとしても、企業業績悪化懸念は拭えておらず、一株当たり利益
(EPS)の低下圧力を通じた株価の下押し圧力は残る。先日の米物流大手フェデックスの業績下方修正に続き、前日の米アップルの最新スマートフォンの増産計画撤回を背景に大手優良企業でも景気後退を避けることはできないとの懸念が強まっている。7-9月期決算の発表が始まる10月下旬までは、これまでのような企業業績に関するネガティブな報道が相次ぐ可能性があり、EPSへの低下圧力はまだ止んでいないと考えるべきだろう。

 一方、27日に発表されたS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(主要20都市)で住宅価格のピークアウト観測が強まっており、コア消費者物価指数(CPI)の減速が視野に入りつつある。こうした中、需給面では、米株式市場を中心に直近の下落で全体ではショート(売り持ち高)に傾いている分、ちょっとした好材料をきっかけに買い戻しが加速して上昇転換する可能性も否定できない。しかし、それでも後追いでインフレ抑制に躍起になっている米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げ転換を示唆するまでは、景気減速下での利上げ進行という負の構図に変化はなく、株式市場にはEPSの低下を通じた株価下落圧力が残る点には留意しておきたい。
(仲村幸浩)
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