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日経平均は3日ぶり反発、為替動向に注目


日経平均は3日ぶり反発。175.51円高の21262.10円(出来高概算6億567万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、ムニューシン米財務長官が米中協議の合意に自信を示したことで買いが先行したが、トランプ大統領が米中首脳会談で進展がない場合に巨額の追加関税を実施すると改めて警告すると上げ幅を縮小。一方、シカゴ日経225先物清算値は大阪比50円高の21100円となり、為替相場が1ドル=107円70銭と前日大引け後よりやや円安方向に振れるなか、本日の東京市場は朝方から買いが先行した。その後も、じりじりと円安・ドル高が進行したほか、週末の米中首脳会談を控えている中国・上海総合指数をはじめとしたアジア株式市場の堅調な動きも支援材料となり、海外短期筋による断続的な指数先物に対する買い戻しの動きも継続。日経平均は前引けにかけて上げ幅を拡大する展開となった。物色としては、マイクロン決算や米中会談への進展期待から前日に米SOX指数が想定以上の大幅反発を見せた流れから、東京市場でもハイテク関連中心に買いが波及した。

セクターでは、機械、海運業、石油・石炭製品が2%高となった一方で、電気・ガスや医薬品は軟調であった。売買代金上位銘柄では、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自動車<7203>、東京エレクトロン<8035>、SUMCO<3436>、村田製作所<6981>、三菱UFJ<8306>、キーエンス<6861>が上昇した。また、国内大手証券による日経平均入替予想が伝わり、新規採用への期待感の高まったカカクコム<2371>や任天堂<7974>、ZOZO<3092>にも関心が向かったほか、JDI<6740>は、米アップルが1億ドルを出資する方向になったとの報道が伝わり急伸した。一方で、ファーストリテ<9983>やJT<2914>、ソフトバンク<9434>はさえない動きに。

ホワイトハウス当局者が20カ国・地域(G20)首脳会議での主要な日程を公表し、中国の習近平国家主席と29日午前11時半に大阪で会談すると発表。これを前に前述の通り、海外短期筋によるショートカバーの動きは継続しているようだ。一方で、足元の東京市場の売買代金は2兆円割れの薄商いの営業日が目立っており、売買高も10億株を割り込む場面が散見されている。市場でも、外国人投資家による日本株離れが話題となるなかで、商いを伴って上昇する向きには乏しく、週末にかけては次第に上値の重さが意識されてくる可能性がある。目先のシナリオとしては、4月24日に直近高値22362.92円をつけてからの価格帯別売買高で商いの集中しているレンジである21200円処を挟んだ推移から上方向に大きく振れる展開は、後場及び明日にかけても明確なニュースフローの無い限り想定しにくいだろう。

なお、東京市場の物色動向に関しては、外資系証券によるショートポジションの積み上がりの意識されている銘柄が散見されていた中国関連株などに対する個別物色のほか、自動車関連やメガバンクにも見直しの動きがみられている。短期筋が物色主体であることや、全体相場が薄商いであることを踏まえると、資金の逃げ足が速くなる展開も視野に入れておきたいところである。現状の投資家のセンチメントを左右しやすいであろう為替相場では、ランチタイムにかけて1ドル=108円を回復する動きをみせており、こちらの動向を注視しておく必要がある。
(雲宮 祥士)


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