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日経平均は続落、ファーストリテや安川電の決算を前に様子見ムード


 日経平均は続落。59.70円安の21627.87円(出来高概算5億7027万株)で前場の取引を終えた。前日の米国市場では、3月消費者物価指数(食品とエネルギー除く)が市場予想を下振れたほか、年内の利上げ見送り方針を示した3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)
議事要旨によれば、複数のメンバーが「世界経済を巡る不透明感は著しい」と警告していたことが分かった。米国や世界経済の先行き不透明感やインフレ圧力の緩和を受けて、大半の当局者が年内利上げを見送る方針を支持したことが示され、引けにかけて主要3指数は揃って上昇。一方で、円相場は1ドル=111円を割り込む場面もみられるなど、前日からやや円高方向に振れるなか、シカゴ日経225先物清算値は大阪比55円安の21645円になった流れから、本日の東京市場は売り先行でのスタートを切った。前場中ごろから開始された上海総合指数をはじめとしたアジア株市場もさえない動きとなり、日経平均は前引けにかけて下げ幅を拡大した。

 セクターでは、不動産業のほか、銀行業、証券・商品先物取引業、鉄鋼が1%を超える下落となった一方で、石油・石炭製品、空運業、繊維製品は堅調であった。売買代金上位銘柄では、19年2月期が営業減益となり、会社計画を下回った良品計画<7453>が13%安となったほか、周波数割り当てによる出尽くし感や米リフトの株安などもマイナス視された楽天<
4755>や、米長期金利低下を受けた三菱UFJ<8306>などのメガバンクなども軟調な動きに。
一方で、日本電産<6594>、キーエンス<6861>、信越化学<4063>、SMC<6273>はプラス圏での推移であった。

 欧州連合(EU)のトゥスク大統領が、EU27カ国(英国除く)の首脳が英国の離脱延期で合意したことを明らかにし、延期期間には言及しなかったものの、首脳らが10月末までの延期で合意したとの報道が朝方から伝わっている。これにより、いったんは日本の10連休中の波乱警戒が和らぐ格好となったものの、本日は指数インパクトの大きいファーストリテ<9983>による19年8月期上半期決算や中国関連の代表格である安川電機<6506>による19年2月期決算を控えており、5日移動平均線の位置する21700円台前半を前に上値の重さが意識されている。

 これら注目企業の決算動向は、インデックスへの影響や中国関連及び設備投資全般の銘柄への市場反応が大きい分、結果を見極めたいとするムードは根強いだろう。ちなみに、これら2銘柄はいずれも4月5日申し込み時点における信用倍率が0.5倍台と信用売り残の積み上がりが足元で意識されている。年初から戻り基調の続く両銘柄に対する決算後の市場反応によっては、明日以降のあく抜けに伴う買い戻し(踏み上げ)となる可能性も視野に入れておきたいところである。


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