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日経平均は大幅反落、33業種全て下落、決算控えた小売関連の動向を注視


 日経平均は大幅反落。914.94円安の22591.10円(出来高概算9億3568万株)で前場の取引を終えた。10日の米国市場では、NYダウは830ドルを超す大幅下落となった。米長期金利上昇が嫌気されるなか、ムニューシン財務長官が人民元下落について中国政府による為替操作を調査する方針を示したことで、米中関係悪化への警戒感が広がった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比730円安の22800円となり、こちらにサヤ寄せする格好で朝方から売りが先行した。海外短期筋によるリスク回避の動きが強まるなか、寄付直後から23000円を約1ヶ月ぶりに割り込み、下げ幅は900円を超えた。

 東証1部の値下がり数は2000社を超えており、全体の97%に上った。セクターでは、33業種が全て下落している。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>が1銘柄で約80円程日経平均を押し下げた。足元の同社株は、米国FANG銘柄などモメンタム株の下落に引きずられやすくなっており、信用取組の悪化も相まって需給懸念が強まる状況になっている。

 本日の日経平均は前場の取引で、下値支持線とされていた75日線及び26週線といった移動平均線が集中していたラインを割り込んできた。これにより、200日線の位置する節目の
22500円処が、年初からもみ合ってきた水準であるだけに次のサポートラインとしては意識されてきそうだ。なお、各市場の恐怖指数は急騰を見せており、前日終値ベースの米VIX指数が22.96、欧州VSTOXX指数が18.40、本日前場終了時点の日経平均VIが26.56となっている。各指数は、30台へと突入した2月のVIXショック時の水準には至っていないものの、次々とサポートラインを割り込むなか、アルゴリズムトレード等での売りニーズが一段と強まる可能性があるだけに注意しておきたい。

 他方、前引けのTOPIXは3.52%の大幅なマイナスとなっており、後場は日銀のETF買い入れが需給面での下支えになろう。前日の同時点のTOPIXは、0.28%安と小幅な下落で折り返したものの、後場にETF買いが入った格好となった。これを踏まえると、本日も需給面での下支え要因が意識されるが、アジア市場の全面安を受け、中国経済の減速懸念を注視したうえで、冷静な押し目拾いが必要となってくるだろう。個別では、本日決算を控えるファーストリテ<9983>をはじめとした小売関連が注目されよう。
(雲宮 祥士)


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