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日経平均は小幅に8日続伸、円安やアジア株高を支えに配当落ち分吸収


 日経平均は小幅に8日続伸。13.72円高の23953.98円(出来高概算7億1000万株)で前場の取引を終えている。

 25日の米国市場でNYダウは続落し、69ドル安となった。米中貿易摩擦への懸念や米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑が相場の重しとなった。ただ、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、米長期金利の上昇を受けて為替は1ドル=112.90円台と円安傾向が続いた。日経平均は配当権利落ち分が160円程度とみられていたが、本日は93円安からスタートするとその後も下げ渋り、前引けにかけてプラスへ転じた。

 個別では、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、武田薬<4502>、ファーストリテ<9983>などが堅調。黒鉛電極を手掛ける東海カーボ<5301>や昭電工<4004>の上げが目立った。また、再建中の田淵電機<6624>はスポンサー支援に関する合意を発表してストップ高水準まで買われ、TATERU<1435>も大幅に3日続伸して東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、トヨタ自<7203>、東エレク<8035>、スズキ<7269>などが軟調で、任天堂<7974>やキーエンス<6861>は小安い。自動車株は独BMWの業績下方修正が売り材料視されているようだ。
本日、排ガス検査の不正問題に関する最終報告書を提出する日産自<7201>は配当権利落ちもあり4%超下落した。セクターでは、石油・石炭製品、水産・農林業、精密機器などが上昇率上位。半面、輸送用機器、その他金融業、電気・ガス業が下落率上位だった。

 日経平均は配当権利落ち分を即日吸収してプラスへ切り返した。米利上げを織り込み為替の円安傾向が続いていることに加え、アジア市場でも中国・上海総合指数などが堅調な展開となっており、投資家のリスク選好姿勢が強まっているようだ。底堅い値動きが投資家の買い意欲を一段と高め、後場の日経平均は節目の24000円に迫る場面も出てきそうだ。

 しかし、日米首脳会談及びFOMC結果発表という重要イベントを控え、目先の利益を確定する売りも出やすいだろう。注目された日米通商協議(FFR)については茂木経済財政・再生相が「大きな方向は一致をみることができた」と説明しつつも、詳細は日米首脳会談後に公表されるもよう。自動車株の値動きを見ても通商問題に対する市場の警戒感の根強さが窺え、協議内容を見極めたいとする思惑も出てくると考えられる。本日もSOSEI<4565>の急伸などによりマザーズ指数は強い動きを見せているが、前日述べたとおり外部環境の不安材料を意識する個人投資家の買いは出遅れ感のある中小型株に向かいやすいだろう。
(小林大純)


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