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出遅れている銘柄やセクターといった、ややリスク回避的な動き


 日経平均は続落。82.77円安の22434.06円(出来高概算6億株)で前場の取引を終えた。
石油輸出国機構(OPEC)で協調減産が緩和されたものの、想定内の増産に留まったことを受けた原油相場の上昇が材料視されたが、一方で米国と中国及び欧州連合(EU)との貿易摩擦への懸念が重石となった。22日のNYダウ上昇の流れもあって小幅に反発して始まったが、寄り付き直後に付けた22556.55円を高値に、その後は不安定な値動きとなる中、前場半ばには22400円を下回る局面もみられた。日経平均の下げの影響から円相場がやや円高に振れて推移したことも、不安材料となっている。

 東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1400を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは、陸運、金属製品、空運、小売、繊維、輸送用機器、情報通信が軟調。半面、鉱業、石油石炭、海運、証券、パルプ紙、鉄鋼、保険がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>が重石となっている。

 日経平均は小幅に上昇して始まったが、25日線に上値を抑えられる格好となり、次第に利益確定の売りに押される展開をみせている。中小型株についてもやや買いが先行していたが、こちらも次第に下げに転じる不安定な展開となった。米紙WSJは、トランプ米政権が策定している中国企業の対米投資制限について、中国資本が25%以上の企業を対象にする検討に入ったと報じており。ハイテク製品の中国への輸出にも制限をかけるといい、投資家心理の悪化につながったようである。

 後場は日銀のETF買い入れが需給面の下支えとして意識される可能性はありそうだが、一目均衡表では雲上限を下回っての推移であり、テクニカル面でも手掛けづらさがある。遅行スパンは週半ば以降、実線の下降とともにこれを上回って上方シグナルを発生させてくる可能性がある。まずはテクニカルシグナルを見極めたいところであるだろう。物色は出遅れている銘柄やセクターといった、ややリスク回避的な動きをみせそうだ。押し目拾いのスタンスは意識しておきたい。
(村瀬智一)


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