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【中国の視点】インド準備銀総裁が辞任、モディ政策に不満か


インド準備銀行(中央銀行)のパテル総裁は10日、個人的な理由で退任を決定したという声明を発表した。即日から有効。また、政府も同日、総裁の後任を早急に決める意向を示した。

一方、総裁の辞任理由について、モディ首相のばらまき政策に対抗しているとの見方が優勢になっている。準備銀理事会の権限をめぐり、政府と準備銀の間で数週間前から争論していたことが背景にあるためだ。

原油価格の上昇や通貨ルピー安の進行を受け、輸入インフレ率や貿易赤字が予想以上に拡大している。これがインドの経常赤字を大幅に拡大させているほか、景気減速圧力を高めている。これに加え、金融会社インフラストラクチャー・リーシング・アンド・ファイナンシャル・ サービス(IL&FS)がデフォルト(債務不履行)に陥ったことを受け、投資家による非銀行金融会社(NBFC)への投資意欲が大幅に後退し、国内の流動性不足が目立っている。

こうした状況の中で、モディ政権はNBFCへの流動性を供給するため、準備銀理事会の構成員数の拡大を通じて金融政策への影響力を強める計画を立てた。ただ、パテル総裁がこれに反対していた。

中国の専門家は、モディ政権が来春の総選挙に備え、NBFCへの流動性供給や減税などばらまき政策が必要だと指摘。パテル総裁の辞任後、準備銀の独立性維持が一段と困難になるとの見方を示した。


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