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【中国の視点】中国国民の貯蓄率は低下、不動産市場への資金流入が加速


中国国民の貯蓄率が大幅に低下している。中国人民銀行(中央銀行)が発表したデータによると、今年上期の個人の普通預金額は1兆1700億元(約19兆8900億円)減少したという。中でも7月に預金が大量に引き出されており、7月だけで個人の預金残高は
7515億元減少した。

また、8月末時点の預金残高は24兆8500億元にとどまり、前年末を1兆5600億元減少したほか、ピーク時だった2016年2月に比べて5兆200億元減少したと報告された。

これとは対照的に、カードローンなど短期的な消費関連の貸し出しは急増している。
統計によると、今年1-7月の個人向けローン(住宅ローンを除く)の契約額は1兆600億元となり、昨年通期の8305億元を大幅に上回った。また、こうした資金の大部分が不動産市場に流入しているとも報告された。

専門家は、住宅価格の高騰に伴い、住宅を投資商品として購入する人が多いと指摘。
住宅価格が上昇し続ければこうした人々の資産が順調に伸びるものの、価格の上昇が停滞した場合、返済不能に陥る人が急増する恐れがあると警告した。

中国の国内総生産(GDP)に占める個人債務残高の比率は2007年の20%から2017年7月の53%まで拡大した。専門家は、個人負債問題を適切に対処しなければ、2020年頃までにこの比率がサブプライム住宅ローン危機前の水準まで上昇する恐れがあるとの懸念を示した。


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