
不正利用の補償には「60日」の期限を定めるカード会社が多い
クレジットカードが不正利用された場合、多くのカード会社が補償の制度を設けていますが、一般的に期限つきです。三井住友カードは、不正利用の申告をした日からさかのぼって60日前までの利用について損害を補償すると案内しています。JCBは、該当の利用が載った明細の通知後60日以内の届け出が必要としています。
起算の仕方はカード会社で違いますが、どちらも60日を過ぎた分は補償の対象外になりうる決まりです。今回のケースで、届出日から60日前までの9万円が補償され、それより前の15万円が自己負担になるのは、こうした規約に沿った扱いです。
・24万円-9万円=15万円(自己負担になる額)
鹿児島県消費生活センターには、2ヶ月にわたる不正利用の合計70万円について、補償期間の60日を過ぎているため補償できない、と言われたという50歳代の相談が寄せられています。相談者は、明細がアプリでの確認に変わってから操作できず、見ていなかったという事例です。
補償を受けるための条件は「期限」だけではない
60日以内に届け出ても、補償されない場合があります。三井住友カードとJCBの案内で主なものは、次のような場合です。
・家族や同居人、代理人による利用
・故意や過失で暗証番号などの認証情報が第三者に知られ、それが使われた取引
・住所などの変更を届け出ていなかった場合(三井住友カード)
・調査に協力しない、提出書類に虚偽がある場合(JCB)
補償を受けるには、カードを止めることも必要です。不正利用に気づいたら、まずカード会社に連絡してカードを無効にし、新しいカードを発行してもらいます。
警察への届け出を求められることもあるため、カード会社の指示に従って手続きを進めましょう。届け出のあとはカード会社から利用の状況を聞かれるため、身に覚えのない利用の日付と金額をメモしておくと答えやすくなります。
明細は月1回。60日の期限に間に合う間隔で見る
今回のケースの15万円は、明細を3ヶ月見ていなかったことで生まれました。60日の期限を考えると、明細は少なくとも月1回、毎月の締め日の後に確かめるのが目安です。月1回確認していれば、不正利用があっても届け出まで長くても1ヶ月程度で収まり、60日の期限に間に合います。
鹿児島県消費生活センターは、利用明細を毎月確認し、利用していないカードの明細も無視しないよう助言しています。持っているだけのカードが不正利用されるケースもあるため、使わないカードは解約を検討しましょう。
紙の明細が届かなくなった人は、アプリやウェブの明細を見る習慣が必要です。利用のたびに通知が届く設定にしておけば、身に覚えのない利用にその日のうちに気づけます。
まとめ
今回のケースでは、3ヶ月ぶりに見た明細に24万円の不正利用があり、補償は届け出から60日前までの9万円にとどまりました。多くのカード会社が60日の期限を定めており、それより前の利用は自己負担になりえます。
期限内でも、家族の利用や暗証番号が使われた取引は対象外です。明細は月1回以上確かめ、通知を設定して、身に覚えのない利用にはすぐカード会社へ連絡することをおすすめします。
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士
