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夫婦で生命保険料を年間「20万円」払っています。夫の年末調整にまとめて申告したほうが、妻と分けて申告するより得なのでしょうか?


夫婦で生命保険料を年間「20万円」払っています。夫の年末調整にまとめて申告したほうが、妻と分けて申告するより得なのでしょうか?

生命保険料控除は夫婦のどちらが申告できる?


生命保険料控除とは、1年間に支払った生命保険料に応じて、所得から一定額を差し引ける制度です。税金を計算する対象となる所得が減るため、所得税や住民税の負担軽減につながります。

 

この控除を受けられるのは、原則として実際に保険料を負担した人です。例えば、妻が契約者でも、夫が保険料を支払っていれば、一定の条件を満たすことで夫が控除を受けられます。ただし、妻が負担した保険料を、夫の年末調整にまとめて申告することはできません。

 

また、保険金の受取人が、保険料を支払う本人や配偶者などの親族であることも条件となります。そのため、単に夫の年収が高いという理由で申告先を決めるのではなく、申告する人を自由に選べるわけではありません。

 


生命保険料が年間20万円の場合、夫婦で分けると控除額はいくら変わる?


生命保険料控除には、上限額が設けられています。2012年1月1日以降の契約では、所得税の控除額が図表1の3区分に分かれており、それぞれの上限額は原則4万円です。

 

図表1



























保険料の区分控除上限額
一般生命保険料4万円
介護医療保険料4万円
個人年金保険料4万円
合計12万円

国税庁「No.1140 生命保険料控除」より筆者作成

 

なお、2026年分からは、23歳未満の扶養親族がいる場合、一般生命保険料の控除上限額が6万円に引き上げられていますが、3区分合計の上限額は12万円のままです。

 

では、夫婦で年間20万円の保険料を支払った場合、控除額にどの程度の差が生じるのでしょうか。

 

例えば、2012年以降に契約した一般生命保険について、夫が年間20万円を全額負担すると、所得税の控除額は原則4万円となります。一方、夫婦それぞれが年間10万円ずつ負担していれば、夫婦ともに4万円の控除を受けられるため、合計8万円です。

 

仮に夫婦の所得税率がともに10%であれば、所得税の軽減額は夫だけで控除を受ける場合が約4000円、夫婦それぞれで受ける場合は合計約8000円となり、約4000円の差が生じます。ただし、実際の税額を計算する際には、復興特別所得税も考慮しなければなりません。

 

また、控除額が大きくなっても、必ずしも節税額が同じ割合で増えるとはかぎりません。所得税率は所得によって異なるため、夫婦それぞれの所得や、ほかの控除の状況によって節税効果が変わるからです。

 

さらに、23歳未満の扶養親族がいる場合は、前述の特例によって控除額の計算方法が異なります。そのため、実際の節税額を比較する際は、夫婦それぞれに適用される控除の条件も確認することが大切です。

 


夫婦で生命保険料控除を受けるときの注意点


夫婦で生命保険料控除を申告する際は、保険料の負担者に注意が必要です。例えば、夫の口座から引き落とされている保険料について、妻にも収入があるという理由だけで、半額を妻の控除に振り分けることはできません。

 

そのため、実際の負担状況を確認し、それぞれが支払った保険料を申告する必要があります。

 

また、生命保険料控除は、保険の契約時期や種類によって計算方法が異なる点にも注意しましょう。2011年12月31日以前の契約には別の控除限度額が設けられているため、保険会社が発行する生命保険料控除証明書で契約内容を確認することが大切です。

 

さらに、今後の保険料の負担方法を見直す場合は、将来受け取る保険金への課税も考慮しなければなりません。

 

保険料の負担者や保険金の受取人などの組み合わせによって、所得税・相続税・贈与税のいずれが課されるかが変わることがあるためです。目先の節税効果だけでなく、保険金を受け取る際の税負担も踏まえて検討するとよいでしょう。

 


生命保険料控除は実際に支払った人と控除の上限額を確認しよう


夫婦で年間20万円の生命保険料を支払っていても、夫の年末調整にまとめたほうが得になるとはかぎりません。夫婦それぞれが保険料を負担している場合、別々に申告することで、世帯全体の控除額が大きくなる可能性があります。ただし、申告できるのは実際に保険料を支払った人です。

 

夫婦で生命保険料控除を申告する際は、それぞれの保険料負担額と契約内容を確認することが大切です。そのうえで、控除の上限額や所得税率を比較すれば、節税効果を把握しやすくなります。年末調整を機に保険契約も見直し、無理なく家計の負担を減らしていきましょう。

 


出典


国税庁 No.1140 生命保険料控除

国税庁 No.1140 生命保険料控除(よくある質問)

国税庁 No.1750 死亡保険金を受け取ったとき

国税庁 No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


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