
土地の個人間売買は可能! 仲介手数料を節約できる
個人が所有する土地を売却する場合、必ず不動産会社を通さなければならないわけではありません。
相続した土地などを個人が一度だけ売却する場合、売主と買主が直接売買契約を結ぶことも可能です。ただし、土地の売買を事業として行う場合は、取引の目的や反復継続性などに応じて、宅地建物取引業の免許が必要になることがあります。
個人間売買のメリットは、不動産会社への仲介手数料を節約できることです。
例えば、1800万円の土地を不動産会社の仲介で売却し、法定上限の仲介手数料が発生する場合を考えてみましょう。
売買価格が400万円を超える場合、一般的な仲介手数料の上限は、税込みで「売買価格×3.3%+6万6000円」と計算できます。
1800万円×3.3%+6万6000円=66万円
つまり、売主側だけでも最大66万円の仲介手数料が発生する計算です。直接売却すれば、この費用を抑えられる可能性があります。
ただし、不動産会社を通さなくても、登記手続きや契約書の作成、測量などに費用がかかる場合があります。
また、仲介手数料が節約できても、売却価格が相場より安ければ、結果的に手元に残るお金が少なくなる可能性があります。
契約前に土地の相場や境界、権利関係を確認する
個人間売買で最初に確認したいのは、提示された1800万円が適切な価格なのかという点です。土地の価格は、所在地や面積だけでなく、道路への接し方、用途地域、建築制限などによって変わります。
近隣の売買事例や公示地価などを参考にし、不動産会社の査定も利用して価格の妥当性を確認するとよいでしょう。査定を依頼したからといって、必ず仲介契約を結ぶ必要があるわけではありません。
次に重要なのが、土地の境界です。
隣地との境界が不明確な場合、売却後に面積や塀の位置をめぐってトラブルになる可能性があります。必要に応じて土地家屋調査士に相談し、境界確認や測量を行うことも検討しましょう。
さらに、登記事項証明書を取得し、所有者の名義や抵当権などの権利関係を確認する必要があります。
相続した土地が亡くなった父親などの名義のままなら、売却に向けて相続登記を済ませる必要があります。
2024年4月からは相続登記が義務化されており、原則として不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。2024年4月より前に相続した不動産も対象で、すでに相続したことを知っていた場合は、原則として2027年3月31日が申請期限となります。
共有名義の土地なら、土地全体を売却するために原則として共有者全員の同意も必要です。
売買契約書と税金の確認も欠かせない
個人間売買では、不動産会社が仲介する場合と異なり、契約内容の確認や手続きの管理を当事者自身で行う必要があります。
売買契約書には、売却価格、手付金、残代金の支払日、土地の引渡日、所有権移転登記の手続きなどを明確に記載しましょう。
特に注意したいのが、土地に問題が見つかった場合の責任です。
例えば、売却後に地中埋設物が発見された場合や、説明された土地の条件と実際の状況が異なる場合、契約不適合責任が問題になることがあります。責任の範囲や通知期間などは、契約内容に応じて整理する必要があります。
また、1800万円の土地売買契約書を紙で作成する場合、2027年3月31日までの軽減措置が適用されれば、印紙税は1通あたり1万円です。
土地の売却によって利益が生じた場合は、譲渡所得に対する税金も考慮しなければなりません。譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用などを差し引いて計算し、その金額をもとに税額が決まります。
相続した土地では、原則として被相続人の取得費や取得時期を引き継ぐため、過去の購入資料が重要になります。契約書の作成は弁護士、登記手続きは司法書士、税金は税理士など、必要に応じて専門家へ依頼すると安心です。
直接売却は費用を抑えられる一方、事前確認が重要
相続した土地を1800万円で直接売却することは可能であり、不動産会社の仲介手数料を節約できるメリットがあります。
ただし、売却価格の妥当性や土地の境界、権利関係、契約内容を十分に確認しなければ、後から大きなトラブルにつながるおそれがあります。
知人同士の取引でも、口約束だけで進めることは避けましょう。必要に応じて専門家のサポートを受けながら、安全に売買できる条件を整えることが大切です。
出典
国土交通省 宅地建物取引の免許について
法務省 相続登記の申請義務化について
国税庁 印紙税の手引(印紙税額一覧表)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
