
米ドル定期預金は円預金より高い金利が期待できる
米ドル定期預金とは、日本円を米ドルに交換し、一定期間銀行に預ける金融商品です。一般的に円の定期預金より高い金利が設定されていることが多く、より多くの利息を受け取れる可能性があります。
ただし、米ドル定期預金は為替相場の変動によって円換算での受取額が変わるほか、税金や手数料もかかるため、金利だけで比較することはできません。
また、預けたときより円安になれば、米ドルを円に戻す際に為替差益も得られます。為替差益とは、通貨を交換する際の為替相場の変動によって生じる利益のことで、米ドル定期預金では利息に加えて、こうした利益も期待できます。
このように、米ドル定期預金には、利息だけでなく為替相場の変動による利益も期待できるという特徴があります。
円高になると利息を受け取っても損をする可能性がある
米ドル定期預金で注意したいのが、為替相場の変動による元本割れです。金利が高くても、預けたときより円高が進むと、円に戻した際に損失が生じる可能性があります。
例えば、1米ドル=150円のときに150万円を米ドル定期預金に預けると、1万米ドルになります。年利3%で1年間運用した場合、税引き前の利息は300米ドルです。
しかし、満期時に1米ドル=140円まで円高が進んでいたらどうでしょうか。元本と利息の合計1万300米ドルを円に戻しても144万2000円となり、当初の150万円より5万8000円少なくなります。加えて、実際には利息への税金や為替手数料もかかるため、受取額はこの金額を下回ることになります。
また、為替変動だけでなく、銀行が破綻した場合のリスクにも注意が必要です。米ドル定期預金は、円預金とは異なり、預金保険制度の対象になりません。そのため、銀行が破綻すると、預けたお金が十分に戻らない可能性も考えられます。
このように、米ドル定期預金を検討する際は金利の高さだけでなく、為替変動による元本割れや税金・手数料、預金保護制度の対象外であることも十分に理解しておくことが大切です。
円安の今、米ドル定期預金を始めるべきか
円安の局面で米ドル定期預金を始めるべきかは、資金の使い道や運用期間によって異なります。例えば、数年以内に住宅購入や教育費などで使う予定のお金を預ける場合は、慎重な判断が必要です。使用する時期に円高が進んでいると、損失が出ていても円に戻さなければならない可能性があるためです。
一方、将来の海外旅行や留学などで米ドルを使う予定がある方は、検討する価値があるでしょう。預けた米ドルを現地での支払いに活用できれば、円に戻す必要がなくなります。ただし、米ドルで引き出したり送金したりする際には、手数料がかかる場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
また、銀行によっては、通常より高い金利を一定期間だけ適用する場合もあります。そのため、米ドル定期預金を始める際は、優遇金利の適用期間や終了後の金利に加え、税引き後の利息や為替手数料も確認しておきましょう。さらに、円高になった場合の損益も試算し、納得したうえで契約することをお勧めします。
米ドル定期預金は金利だけでなく為替リスクも考えて判断しよう
米ドル定期預金は、円定期預金より高い金利が期待できるものの、円高が進むと利息を受け取っても元本割れする可能性があります。また、為替手数料がかかるほか、預金保険制度の対象外となるため、金利の高さだけで判断するのは避けたいところです。
円安の今、米ドル定期預金を始めるべきかは、資金の使い道や運用期間によっても異なります。特に、住宅購入や教育費など、近い将来に使う予定のお金を預ける場合は注意が必要です。使用する時期に円高が進んでいると、円に戻した際に元本割れし、必要な資金を確保できなくなるおそれがあります。
そのため、円安だからといって急いで契約するのではなく、金利や手数料、為替変動によるリスクを十分に理解したうえで、米ドル定期預金が自分の資金計画に合っているかを慎重に判断しましょう。
出典
金融庁 預金保険制度
国税庁 No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
