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78歳の母が“定期預金”から「300万円」引き出そうとしたら、銀行で「使い道は?」と質問攻め…「自分のお金なのに、嫌がらせ!?」と言いますが“200万円以上の取引”は確認が必要? 高齢者ほど聞かれやすい事情


78歳の母が“定期預金”から「300万円」引き出そうとしたら、銀行で「使い道は?」と質問攻め…「自分のお金なのに、嫌がらせ!?」と言いますが“200万円以上の取引”は確認が必要? 高齢者ほど聞かれやすい事情

200万円を超える現金の取引は、法律で確認が決められている


全国銀行協会によると、銀行は犯罪収益移転防止法にもとづいて、一定の取引のときに取引時確認を行います。対象になる取引の1つが、200万円を超える現金の受け払いを伴う取引です。300万円の現金を引き出す今回のケースは、この対象に入ります。

 

取引時確認では、氏名・住居・生年月日などの本人特定事項に加え、職業と、取引を行う目的を確かめます。個人の職業と取引を行う目的については、書類ではなく窓口で確認する運用です。本人確認書類は、窓口ではコピーではなく原本を見せる必要があります。

 

この確認は、マネー・ローンダリングやテロ資金供与を防ぐために、金融機関の義務として定められているものです。長年取引がある人でも、200万円を超える現金の取引なら同じように確認が入ります。

 

母親が「自分のお金なのに」と感じるのは自然ですが、銀行側は法律上、聞かないわけにはいかないのです。

 


高齢の人の高額な引き出しは、詐欺を防ぐ目的でも声をかけられる


今回のケースで1時間もかかった背景には、もう1つの理由が考えられます。特殊詐欺の被害を防ぐための声かけです。

 

警察庁は、全国の金融機関に、高額な現金を持ち帰る客へ声をかけ、最寄りの警察署に連絡するよう求めています。全国銀行協会は、高額・高齢の客の取引では声かけをすることがあると案内しています。

 

78歳で300万円の現金となれば、銀行が詐欺の可能性を疑って慎重になるのは、むしろ想定どおりの対応です。

 

親族を名乗る電話で現金を用意させる手口では、本人は「子どものために必要なお金」と信じ込んでいることが多く、窓口の職員が使い道を聞いて止めるのが最後の砦になっています。

 


スムーズに引き出すための3つの準備


確認を省くことはできませんが、短くすることはできます。

 

1つ目は、本人確認書類の原本を持っていくことです。運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真つきのものがあると確認が早く進みます。

 

2つ目は、使い道を具体的に言えるようにしておくことです。「家の修理代を業者に払う」「孫の学費を渡す」のように、相手と目的がはっきりしていれば、職員も判断しやすくなります。本当に必要な支払いなら、現金ではなく振込にできないかも考える余地があります。

 

3つ目は、事前に銀行へ連絡しておくことです。銀行の支店では、300万円の現金の用意がない可能性があり、当日いきなり頼むと待ち時間が長くなります。前日までに電話で伝えておけば、現金の準備と確認の段取りを進めてもらえます。家族が同行して、使い道を一緒に説明するのも有効です。

 


まとめ


今回のケースでは、78歳の母親が現金300万円を引き出そうとして、窓口で使い道を聞かれ1時間足止めされました。200万円を超える現金の取引は、犯罪収益移転防止法によって本人特定事項・職業・取引の目的の確認が決められており、答えないと手続きが進みません。

 

さらに、高齢者の高額な引き出しは、詐欺を防ぐ目的でも声をかけられます。

 

本人確認書類の原本、具体的な使い道、事前の連絡の3つを準備しておけば、確認に要する時間は短くできるでしょう。可能なら振込に切り替えることも含めて、母親と一緒に段取りを考えることをおすすめします。

 


出典


警察庁・都道府県警察 振り込め詐欺等の被害防止に向けた金融機関への要請(金融庁掲載)

 

執筆者 : 高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士


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