
実家暮らしでも固定資産税や修繕費などの負担が発生する
持ち家で暮らす場合、住宅ローンを完済していても固定資産税がかかります。固定資産税の標準税率は1.4%ですが、土地には住宅用地の特例があるため、単純に土地と建物の評価額に1.4%を掛けた金額が税額になるわけではありません。
実際の税額は住宅の所在地や評価額などによって異なりますが、仮に年間10万円の固定資産税がかかる住宅なら、毎月約8300円を確保する必要があります。
また、固定資産税だけでなく、住宅の修繕費にも備えておかなければなりません。特に、築年数が経過した実家では、屋根や外壁の補修、給湯器の交換、水回りの修理などに費用がかかることもあるでしょう。
アットホーム株式会社(東京都大田区)が実施した、「一戸建て修繕の実態調査2026」(調査期間:2026年7月10日~11日、調査対象:新築一戸建てを購入してから30年以上居住の1098名)によると、修繕費の平均は554万円でした。
これを単純に30年間で割ると、年間約18万5000円、月額約1万5400円に相当します。ただし、修繕費は毎年均等に発生するわけではなく、大規模な工事が必要になれば、一度にまとまった金額を支払うこともあるでしょう。
例えば、固定資産税が年間10万円、修繕費の積立額が年間18万円と仮定すると、住宅の維持費だけで年間28万円、月額にして約2万3300円が必要になります。そのため、急な修繕で家計が圧迫されないよう、毎月一定額を積み立てておくことが大切です。
50代で貯金ゼロの場合に必要な貯金額の目安
親が亡くなった後も実家暮らしを続ける場合、息子自身が生活費に加えて、固定資産税や住宅の維持費などを負担する可能性があります。そのため、将来の支出を見据えて、必要な貯金を確保しておくことが重要です。
一般的に、急な失業や病気などに備える生活防衛資金は、生活費の3~6ヶ月分が一つの目安とされています。例えば、息子の毎月の生活費が15万円の場合、3ヶ月分で45万円、6ヶ月分で90万円となります。
また、固定資産税や住宅の修繕費にも備えておかなければなりません。仮に固定資産税が年間10万円であれば、生活費6ヶ月分の90万円と合わせて100万円となる計算です。
ただし、この金額には住宅の修繕費は含まれておらず、大規模な修繕が迫っている場合や収入が不安定な場合は、より多くの資金を確保する必要があります。
さらに、50代は老後の生活も見据える時期です。住宅の維持費だけでなく、将来の生活費にも備えられるよう、自身の収入や支出、住宅の状態を把握し、無理のない範囲で計画的に貯金を増やしていくとよいでしょう。
実家暮らしで貯金を増やすためにできること
貯金がゼロの場合、まずは毎月の収入と支出を把握し、無理のない積立額を決めることが大切です。例えば、毎月3万円ずつ貯金すれば、1年間で36万円、3年間で108万円を確保できます。
実家暮らしでは家賃の負担を抑えられるため、その分を貯金に回しやすいというメリットがあります。ただし、食費や光熱費などを親だけに負担させるのではなく、親子で話し合い、生活費をどのように分担するか決めておきたいところです。
そのうえで、家計に入れる金額と貯金に回す金額のバランスを調整すれば、親の負担を軽減しながら将来に備えられるでしょう。
また、住宅の修繕にはまとまった費用がかかることもあるため、今のうちから備えておくことが大切です。まずは実家の築年数や劣化状況を確認し、今後必要になりそうな修繕費を見積もっておくことで、必要な貯金額をより具体的に把握できるでしょう。
必要な貯金額は家庭によって異なるため、状況に応じて備えよう
実家暮らしでは家賃の負担を抑えられますが、固定資産税や住宅の修繕費など、維持費がかかることを忘れてはいけません。特に、親が亡くなった後も住み続ける場合は、息子自身がこれらの費用を負担する可能性があります。
必要な貯金額は生活費や住宅の状態などによって異なるため、一律に決めることは困難です。生活費の3~6ヶ月分を一つの目安としつつ、住宅の維持費や老後の生活費も考慮する必要があります。
まずは毎月の収支を把握し、親子で生活費の分担を話し合ったうえで、将来に備えて無理のない範囲で計画的に貯金を進めましょう。
出典
東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
アットホーム株式会社 一戸建て修繕の実態調査2026
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
