
500万円をまとめて渡すと贈与税はいくら?
今回は、次の条件で500万円をまとめて渡した場合に、相手に課される贈与税を試算します。
・1回の贈与で500万円を渡す
・同じ年のほかの贈与はない
・父親から30歳の子どもへの贈与
まず、贈与税の基礎控除110万円を500万円から差し引いた390万円が課税対象となります。成人済みの子どもに対しての贈与なので、390万円が課税対象の場合、贈与税率は15%、控除額は10万円です。そのため、今回のケースでは子どもに対して48万5000円の贈与税が課される可能性があります。
ただし、贈与税はその年のすべての課税対象になる贈与を合計してから計算します。ほかにも贈与を受け取っている場合は、税額がさらに高くなる可能性があるでしょう。
毎年100万円なら税金はゼロになるの?
毎年100万円ずつ渡す場合は、贈与契約の内容によって課税対象か否かが変わります。国税庁によると、毎年贈与契約を結んだうえで100万円を渡す場合には課税されません。しかし、5年にわたって毎年100万円を渡すと最初に決めてから、定期的に贈与する場合は定期金給付契約として課税対象となる可能性があります。
「500万円を毎年100万円ずつ受け取る権利を贈与する」との贈与契約を結んだとみなされるためです。この場合、贈与を受け取る1年目に、500万円を受け取る権利を得たとして、贈与税の申告が必要になります。
課税対象と判断されないためには、毎年渡すたびに贈与契約を結ぶことが考えられます。贈与契約自体は口頭のみでもできますが、税務署から指摘を受けた際に客観的に内容が分かるよう、贈与契約書を作成しておくとよいでしょう。
贈与契約書を作成する場合は、次の項目を含めることがポイントです。
・贈与契約を結んだ年月日
・贈与契約を結ぶ両者の氏名
・贈与金額
・贈与契約の内容
・両者の印鑑など
なお、贈与契約書の内容と実際の贈与内容が異なると、契約書の内容ではなく実際の贈与内容を基に判断される可能性があります。
退職金の一部を贈与する前に確認しておきたいポイント
退職金のうち、一部の金額を贈与する際は、自身の生活に影響がないかを考慮しましょう。
再就職や再雇用などを利用しない場合、老後の生活費は基本的に年金収入と退職金も含めた貯金で賄います。事前に必要な金額を試算せずまとまった金額を渡してしまうと、老後の生活費が足りなくなる可能性があります。生活費に影響が出ない無理のない金額を渡すことが大切です。
また、一度にまとまった金額を渡すのではなく、必要になるたびに援助することもひとつの選択肢です。例えば、孫ができたときに子どもを通して育児に必要な費用を支援したり、子どもが入院した場合は、治療費や入院費を支援したりするのもよいでしょう。
国税庁によると、親子間などの扶養義務者から生活費や教育費のために必要な都度、必要な金額を直接使用するために渡した場合は、その金額が基礎控除を超えていても非課税です。そのため、事前にまとめて渡すよりも、必要になるたびに生活費や孫の教育費として渡した方が、子どもの税金負担も軽減できる可能性があります。
一括で渡すと48万5000円の贈与税が課される可能性がある
500万円を親から30歳の子どもへまとめて渡した場合、48万5000円の贈与税が子どもに対して課される可能性があります。一方、贈与税には年間110万円の基礎控除が設けられているため、基礎控除の範囲内であれば、贈与税は課されません。
ただし、毎年基礎控除の範囲内で同じ金額を贈与する場合は、定期的に同じ金額を受け取る権利を贈与されたと判断され、課税対象になる可能性があるため注意が必要です。今回のケースでは「毎年100万円、合計500万円を定期的に受け取る権利」の贈与になるでしょう。
課税対象とみなされないためには、毎年贈与契約書を作成してお金を渡すなどの工夫が必要です。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
