
「240円」と「6000円」は別々のソフトバンク株
まず、2社の違いを整理しましょう。2026年10月時点で、1株がだいたい240円ほどなのは、証券コード9434の「ソフトバンク株式会社」です。携帯電話やインターネット回線などの通信サービスを中心に、法人向けITサービスなども展開しています。
一方、1株5000~6000円ほどなのは、証券コード9984の「ソフトバンクグループ株式会社」です。こちらは通信事業そのものよりも、AI関連企業などへの投資を通じて企業価値を高めることを目指す投資持株会社です。
この2つの関係性としては、「ソフトバンクグループ」が親会社で、「ソフトバンク」は「ソフトバンクグループ」が傘下に抱える会社の1つです。つまり、同じ「ソフトバンク」という名前でも、投資する対象は大きく異なります。
「ソフトバンク」は配当と株主優待が魅力
ソフトバンク株の魅力の1つが、株主への配当です。同社の年間配当は2021年3月期から2026年3月期まで、1株8.6円という水準が続いています。仮に株価240円で購入すると、配当利回りは次のとおりです。
・8.6円÷240円×100=約3.58%
100株なら購入金額は2万4000円、年間配当は860円です。さらに、100株以上を1年以上保有するなどの条件を満たすと、株主優待としてPayPayマネーライト1000円分がもらえます。
配当を受け取りながら長期保有したい人にとって、検討しやすい銘柄といえるでしょう。ただし、配当や株主優待は将来も同じ条件で続くとは限りません。
「ソフトバンクグループ」は何が違う?
一方、ソフトバンクグループは、AIを中心とした成長分野への投資に力を入れています。そのため、投資先企業の成長やAI市場の拡大が株価上昇につながる可能性があります。
ただし、投資先の評価額や株式市場の動向によって企業価値が大きく変動するかもしれません。なお、ソフトバンクグループは現在、株主優待制度を終了しており、配当の水準もソフトバンクよりもかなり低くなっています。
ソフトバンクのように配当や優待を重視するというより、将来的な企業価値の成長に期待する投資先として考えられるでしょう。
同じ「ソフトバンク」でも投資目的は大きく違う
仮に100株購入する場合、株価240円のソフトバンクなら2万4000円、6000円のソフトバンクグループなら60万円が必要です。ただし、株価が高いから割高、安いからお得というわけではありません。
また、どちらも個別株であり、投資先の業績や市場環境によって株価が下落する可能性があります。
NISAで買うならどちらを選ぶべき?
NISAでは、対象となる株式を成長投資枠で購入できます。売却益や配当金が非課税になる点がメリットです。
配当を受け取りながら長期保有したいのであれば、ソフトバンクが候補になります。一方、AI関連投資などを通じた企業価値の成長や株価上昇を期待するなら、ソフトバンクグループが選択肢になるでしょう。
ただし、NISAだからといって元本が保証されるわけではありません。NISAは利益に対する課税が免除される制度であり、絶対に損をしない制度ではない点は認識しておきましょう。
まとめ
「ソフトバンク」と「ソフトバンクグループ」は別々の上場企業です。ソフトバンクは通信事業を中心とし、配当や株主優待が特徴です。一方、ソフトバンクグループはAI関連企業などへの投資を通じた企業価値の成長を目指しています。
どちらがよいかは、配当収入を重視するのか、投資先に魅力を感じるのか、将来的な値上がり益を期待するのかなどによって異なります。株価の安さや知名度だけで選ばず、事業内容やリスクを理解したうえで、自分の投資目的に合った銘柄を選ぶことが大切です。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/ITパスポート/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
