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夫が亡くなり「遺族年金」でギリギリの生活を送る50代の母。実は条件を満たせば「毎年約64万円」も上乗せされる「中高齢寡婦加算」という制度があるのに、役所は教えてくれないって本当!?


夫が亡くなり「遺族年金」でギリギリの生活を送る50代の母。実は条件を満たせば「毎年約64万円」も上乗せされる「中高齢寡婦加算」という制度があるのに、役所は教えてくれないって本当!?

中高齢寡婦加算とはどんな制度?


中高齢寡婦加算とは、一定の条件を満たした妻に対して、遺族厚生年金に上乗せして支給される制度です。主な条件は、次のとおりです。




・夫が厚生年金の被保険者中に亡くなった場合など、遺族厚生年金の対象となっていること

・夫が老齢厚生年金の受給権者などの場合は、原則として厚生年金の被保険者期間が20年以上あること

・夫が亡くなったとき、妻が40歳以上65歳未満で、遺族基礎年金の対象となる子がいないこと

・子がいる場合は、妻が40歳になった時点でもその子がいて、その後、遺族基礎年金を受けられなくなったこと



これらの条件を満たすと、遺族厚生年金に加えて中高齢寡婦加算を受けられる可能性があります。年金額は毎年度改定されており、令和8年度の中高齢寡婦加算は、年額63万5500円です。毎月にすると約5万3000円の上乗せとなるため、家計への影響は決して小さくありません。

 


「役所は教えてくれない」は本当?


結論から言えば、「役所が意図的に教えない」ということではありません。夫が亡くなった際には、遺族年金の請求手続きを年金事務所などで行います。その際、対象となる人には制度の説明が行われるのが一般的です。

 

しかし、突然の不幸で精神的負担が大きいなか、制度の説明を十分に理解できなかったり、「自分には関係ない」と思い込んでしまったりする人もいます。

 

また、「遺族年金」という言葉だけは知っていても、「中高齢寡婦加算」という制度名までは知らないというケースも少なくありません。そのため、「教えてもらえなかった」という印象を持つ人がいるのも事実でしょう。

 


65歳になると支給は終了する


注意したいのは、中高齢寡婦加算は一生受け取れるわけではないという点です。

 

支給されるのは40歳から65歳までで、65歳になると終了します。その後は、自身の老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取ることになりますが、場合によっては、65歳を境に年金収入が大きく変わることもあります。

 

そのため、夫が亡くなった直後だけでなく、「65歳以降の家計がどう変わるのか」まで見据えて資金計画を立てることが重要です。

 


制度を知らないことで損をしないために


年金制度は非常に複雑です。遺族年金、中高齢寡婦加算、老齢年金、振替加算など、似たような制度が数多く存在します。そのため、「私は対象外だと思っていた」「そんな制度があるとは知らなかった」という人も少なくありません。

 

もし夫を亡くされ、現在40歳以上65歳未満で遺族厚生年金を受給している場合には、一度年金事務所などで確認してみることをおすすめします。確認するだけで、受給できる制度が見つかる可能性もあります。

 


まとめ


夫を亡くした後は、精神的な悲しみだけでなく、家計への不安も一気に押し寄せます。

 

そのようなときこそ、公的年金制度を正しく知ることが大切です。「中高齢寡婦加算」は、条件を満たせば遺族厚生年金に上乗せして支給される重要な制度です。一方で、「役所が教えてくれない制度」というよりも、「制度が複雑で十分理解されていない制度」と考えたほうが実態に近いでしょう。

 

年金制度は、自分から確認しなければ気づかないこともあります。「自分は対象外だろう」と決めつけず、一度確認することが、老後の安心につながる第一歩になるのではないでしょうか。

 


出典


日本年金機構 年金用語集 た行 中高齢寡婦加算

日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)

 

執筆者 : 水上克朗

ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー


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