starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

47歳で独身、子どもはいません。将来自分に何かあったとき、財産をめいっ子に残したいと思っています。遺言書を作っておけば、めいっ子に財産を渡すことはできるのでしょうか?


47歳で独身、子どもはいません。将来自分に何かあったとき、財産をめいっ子に残したいと思っています。遺言書を作っておけば、めいっ子に財産を渡すことはできるのでしょうか?

遺言書は残しておくべきか


独身で子どももいない方が、特定の方(ここでは「めい」)に財産を残したい場合は、遺言書を書くべきでしょうか?

 

結論から申し上げると、書いておくことをお勧めします。「書かなければ絶対めいに渡せない」ということではないのですが、遺言書を残したほうがより確実に、めいに財産を渡すことができるからです。

 

そこで、なぜ書いたほうがよいのかを、書かない場合と書いた場合で比較してみましょう。

 

ここでは、表題の方の家族構成を、本人、父母、兄が1人、兄の子(めい)とします。本人が亡くなった、と仮定し、誰が最初に亡くなるかによって、4つのケースに分けてみました。

 




■ケース1. 父母、兄ともに存命、または父母は存命で兄が死亡の場合

遺言なし:父母が相続人となります

遺言あり:めいが受遺者として財産を受け取ります

 

■ケース2. 父母はすでに死亡、兄が存命の場合

遺言なし:兄が相続人となります

遺言あり:めいが受遺者として財産を受け取ります

 

■ケース3. 父母も兄もすでに死亡している場合

遺言なし:めいが代襲相続人となります

遺言あり:めいが相続人として財産を受け取ります

 

■ケース4. 父母も兄も存命だが、めいが先に亡くなった場合

遺言なし:父母が相続人となります

遺言あり:原則としてめいへの遺贈は効力を生じず、その財産は相続人に帰属します



 

上記のように、遺言書がある場合は、めいが本人より先に亡くならないかぎり、めいが財産を受け取ることができます。一方、遺言書がない場合は代襲相続となるケースを除き、めい以外の方が相続人になります。

 

「確実に特定の人に財産を残したい……」そのように考えるのであれば、遺言書を書いておいたほうがよいことは、上記の例からも明白です。

 


遺言書を残すメリットとデメリット


「それでも遺言書を書いておくべきだろうか」

 

もし疑問に感じているようであれば、以下のメリットとデメリットも検討してみましょう。

 


(主なメリット)


・自分の意思で、遺産の受取人を決めることができる

前項で説明した内容です。遺言書があって、かつ正しい手順で作成されていれば、その内容に沿って、指定した受取人が財産を受け取ることができます。

 

・相続人同士の争いを未然に防ぐことができる

遺言書がない場合、相続人同士でどの財産をどのような割合で分けるかは話し合いで決めることができます。ただし、それが争いの種になることは少なくありません。一方、遺言書のなかで、誰が、どの財産を、どの割合で受け取るか、を決めておけば、不必要な争いを未然に防ぐことができます。

 

・相続手続きの負担が減ることもある

遺言書がなく、相続人間で話し合いを行った場合は、その結果を証するための遺産分割協議書を作成します。しかし、遺言書で財産の分け方が明確になっていれば、遺産分割協議が不要になることがあります。また、預金の払い戻しや登記などに必要な書類も、少なくなることが一般的です。

 


(主なデメリット)


・法律の規定に従った方式で遺言を書かないと無効になるリスクがある

遺言書は、15歳以上で、かつ自分自身で考え、判断し、結果を認識できる人であれば作ることができます。

 

しかし、紙と鉛筆があれば、どんな内容を書いてもオーケー、というわけにはいきません。書いた遺言を有効なものとして残し、実行するには、民法に決められた方式と手続きに従う必要があります。

 

例えば、自筆証書遺言書を作成する際には、以下の要件を最低限守る必要があります(※2)。

 




1. 遺言書の全文、遺言の作成日付及び遺言者氏名を必ず遺言者が自書し、押印する。

2. 自書ではない財産目録が添付されている場合、全てのページに署名、押印する。

3. 書き間違った場合の訂正や、内容を書き足したいときの追加は、その場所が分かるように示したうえで、訂正又は追加した旨を付記して署名し、訂正又は追加した箇所に押印する。



 

もし、これらの要件を一つでも漏らした場合は、せっかく書いた遺言書が無効となり、実行されずに終わってしまう可能性があります。

 

・原則、費用がかかることも

遺言書は自分で作成し、自分で保管することも可能です。この場合であれば費用はかかりません。ただし、遺言書を有効なものとするためには、一定の要件に従って作成する必要があります。この作業を第三者に依頼する場合は、一定の費用がかかります。

 

例えば、遺言書を公正証書で作成する場合は、公証役場で2名以上の証人の立ち会い、依頼者の原案を基に公証人が遺言書を作成します。この場合、公証人手数料が発生します。費用は遺言書に記載する財産の価額に応じて変わります(1000万円超3000万円以下の場合、基本手数料は2万6000円。※別途、遺言加算料金あり)。

 

以上のように、遺言書の作成はその効果が大きいものの、遺言書の作成には労力と、場合によっては費用がかかります。

 

しかし、遺言書がなければ、自分の財産が渡したい人に渡らないばかりか、相続人間のトラブルになったり、相続手続きがより複雑になったりする可能性があることは、ここまで見てきたとおりです。

 

少なくとも表題の方にとっては、遺言書を用意するメリットはデメリットを大きく上回ると考えられます。

 


遺留分に注意


ここまで、遺言書を書いておくべき理由を述べてきましたが、遺言書を書いておけば、あとは何もしなくても安心、というわけではありません。

 

ここでは、遺言書を書くにあたり、気を付けておきたいポイントの一つとして、遺留分について解説します。

 

遺留分とは、相続人に認められた、最低限の遺産の取り分です。民法に規定されており、たとえ、遺言書によってめいに全部の遺産を渡すよう準備しても、遺留分を有する相続人から遺留分侵害額を請求される可能性があります。ただし、遺留分は兄弟姉妹には認められていません。

 

前述のケースを例に取ってみましょう。

 

ケース1では、父母、兄ともに存命でした。この場合、父母が相続人になりますが、父母には本来の相続分に対して3分の1に相当する遺留分が認められます(直系尊属のみが相続人である場合)。

 

一方、ケース2では、父母は亡くなっており、兄が存命でした。この場合は、兄が相続人ですが、前述のとおり、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。したがって、遺言書の内容(本人の財産は全てめいが受け取る)が、兄の意思に反していたとしても、兄は遺留分を請求することはできません。

 

このように、誰が相続人かによって、遺留分の請求ができるかどうか、またその割合が変わります。遺言書を作成する際は、遺留分を請求される可能性があるかどうかを考えたうえで、一部の財産を請求に備えて準備しておいたり、相続人になり得る方と事前に話し合ったりしておくことが望ましいでしょう。

 


遺言書の作成に不安のある方は専門家に相談を


改めて、表題の47歳の方の質問に答えますと、めいに財産を残したいのであれば、遺言書を作成しておくことが望ましいと考えられます。

 

ただし、遺言書を実際に作るべきかどうかは、家族関係や財産の額、本人の意思などをよく吟味したうえで、結論を出すべき問題です。また、本記事では詳しく解説していない遺言書の方式や要件について、ある程度学んでおく必要もあります。

 

少しでも不安のある方は、遺言書作成経験のある弁護士等の実務家にまずは相談してみることをお勧めします。

 


出典


(※1)厚生労働省 令和5年版 厚生労働白書 -つながり・支え合いのある地域共生社会- 図表1-1-9 年齢階級別未婚割合の推移

(※2)東京法務局 遺言書を作成するときの注意点

 

執筆者 : 酒井 乙

CFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。


    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2026
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.