
中小企業でも半数以上がAIを業務で利用している
AIは個人で利用するだけでなく、企業の業務にも取り入れられています。
大同生命保険株式会社が実施した「大同生命サーベイ(2026年8月度調査)」によると、AIを現在利用している経営者は66%でした。利用頻度を見ると、「ほぼ毎日利用している」が24%、「週に1回以上利用している」が23%となっています。
また、AIの利用状況については「個人・業務ともに両方」が45%、「業務のみ」が8%で、合わせて53%が業務でAIを利用しています。中小企業でも、AIを業務に取り入れる動きが広がっていることがうかがえます。
業務でAIを使う経営者の62%が「経営相談や意見」を求めている
では、AIは経営者にとってどのような存在になっているのでしょうか。
業務でAIを利用している経営者を対象に、AIへ経営に関する相談や意見を求めることがあるか尋ねたところ、「日常的」が21%、「時々」が22%、「たまに」が19%でした。
これらを合わせると62%となり、業務でAIを利用している経営者の6割以上が、AIに経営上の相談や意見を求めた経験があることになります。
AIは単純な作業を効率化するだけでなく、アイデアを出したり、判断材料を集めたりする場面でも活用され始めているようです。
ただし、この62%は中小企業経営者全体に占める割合ではなく、「業務でAIを利用している経営者」を対象とした結果である点には注意が必要です。
AIは「文書作成・要約」や「情報収集」などにも活用
AIを業務で利用している企業では、経営相談以外にもさまざまな用途で活用されています。
具体的な業務を複数回答で尋ねたところ、「文書作成・要約(メール・資料・マニュアル)」が73%で最多でした。次いで「調査・情報収集」が43%、「データ等の作成・分析」が35%、「デザイン・画像・動画作成」が28%、「議事録や定例報告書の作成」が27%となっています。
さらに、「経営相談・企画・アイデア出し」も23%となっています。
日々の資料作成などから経営に関するアイデア出しまで、AIの活用方法は一つではありません。自社の業務に合わせて使い方を考えることがポイントになりそうです。
AI活用の目的は「時間短縮」が74%、コスト削減を挙げる企業も
AIを活用することで、業務にかかる時間やコストを見直せる可能性もあります。AIを業務で活用している理由を尋ねたところ、最も多かったのは「業務の時間短縮・効率化」の74%でした。
そのほか、「専門知識を補うため」が47%、「アイデア出しや企画のヒントを得るため」が44%、「経営者・従業員の負担軽減のため」が21%、「人手不足を補うため」が17%となっています。「コスト削減(外注費・人件費抑制)のため」と回答した企業も16%ありました。
ただし、この結果だけでAIを導入すれば実際にコストが削減できると断定することはできません。AIをどの業務に取り入れるかによっても、得られる効果は異なると考えられます。
まずは時間のかかっている業務を洗い出し、AIを活用できる部分がないか検討してみるのも一つの方法でしょう。
AIへの経営相談は「回答をそのまま信じない」ことも大切
AIを経営の相談相手として活用する場合は、注意すべき点もあります。
AIを利用する際の不安については、「誤情報・内容の正確性」が49%で最も多く、「情報漏洩・セキュリティ面」が45%、「トラブル発生時の責任の所在」が20%、「著作権・権利関係の問題」が17%と続きました。
例えば、AIから得た回答に誤った情報が含まれていれば、それを基にした判断にも影響する可能性があります。また、経営に関する相談では、社内情報や取引先に関する情報などを入力するケースも考えられるため、情報の取り扱いにも注意が必要です。
監修者コメントでも、AIの活用が広がるほど、出力内容を確認する力や情報管理、社内ルールの整備が重要になると指摘されています。
AIに経営判断そのものを任せるのではなく、情報収集やアイデア出しなど、判断材料を増やすためのツールとして活用することが大切でしょう。
まとめ
大同生命サーベイでは、業務でAIを利用している経営者の62%が、経営に関する相談や意見をAIに求めていました。
AIは文書作成や情報収集だけでなく、経営上のアイデア出しなどにも活用されています。一方、誤情報や情報漏洩には注意が必要です。
AIの回答をそのまま経営判断に用いるのではなく、情報収集やアイデア出しなどに活用し、最終的には自ら判断することが大切でしょう。
出典
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2026年8月度調査)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
