
退職代行を使うと退職金に影響はある?
退職代行を利用して会社を辞める場合、退職金の扱いが気になる方もいるでしょう。しかし、退職金の扱いは、退職代行を利用したかどうかだけで決まるものではありません。実際には、会社の退職金制度や勤続年数、退職理由などをもとに判断されます。
そもそも退職金制度は、すべての会社に法律で義務付けられているものではなく、導入の有無や支給条件は会社ごとに異なります。
退職金制度を設けている場合は、支給対象者や退職金の計算方法、支払い時期などが就業規則や退職金規程に定められているのが一般的です。そのため、まずは勤務先の規程を確認することが重要といえるでしょう。
なお、会社によっては、定年退職や会社都合退職よりも、自己都合退職の支給率を低く設定している場合があります。この場合、退職代行を使ったこと自体ではなく、自己都合退職として扱われることで、結果的に退職金が少なくなる可能性があります。
10年勤めていても退職金規程の確認が必要
勤続10年であれば、ある程度の退職金を期待する人も多いでしょう。しかし、「10年働けば必ず退職金を受け取れる」という法律上のルールがあるわけではありません。退職金制度の有無や支給条件は会社によって異なるため、まずは就業規則や退職金規程を確認することが大切です。
確認しておきたいのは、支給対象となる勤続年数や自己都合退職の支給率、退職金の計算方法、支払い時期などです。厚生労働省のモデル就業規則でも、勤続年数などを基準に退職金額を定める例が示されていますが、具体的な支給条件や計算方法は各企業の規程によって変わります。
例えば、「勤続3年以上を支給対象とする」「自己都合退職には所定の支給率を適用する」と定められている場合は、その内容に沿って退職金が計算される仕組みです。そのため、勤続10年という年数だけで支給額を判断するのではなく、自分に適用される条件まで確認しておく必要があります。
こうした支給条件を把握するためにも、退職代行を依頼する前に就業規則や退職金規程へ目を通しておくことが大切です。社内のイントラネットや従業員向けの資料に掲載されている場合は、退職後に確認できなくなる可能性もあるため、必要な情報は在職中に把握しておきましょう。
退職金を払ってもらえない場合は専門家への相談も検討する
退職金の支給条件を満たしているにもかかわらず、会社から「退職代行を使ったので支払わない」などと言われても、そのまま諦める必要はありません。
まずは退職金規程を確認し、支給条件や金額、支払い予定日などを整理しておくことが大切です。そのうえで会社との話し合いが必要になった場合は、利用している退職代行サービスがどこまで対応できるのかも確認しておきましょう。
特に、退職金の金額や支払いをめぐって会社とトラブルになった場合は、弁護士などの専門家に相談する方法もあります。また、退職代行サービスによって対応できる範囲は異なるため、会社との交渉まで依頼したい場合は、利用中のサービスが対応可能かを確認しておくことも大切です。
さらに、勤務先が中小企業退職金共済制度(中退共)を利用している場合は、会社ではなく中退共から本人へ直接退職金が支払われます。
退職金には、会社が独自に支給するものや中退共を利用するものなどがあり、支給方法や手続きも異なります。そのため、自分の勤務先がどの制度を利用しているのか、退職前に確認しておくとよいでしょう。
退職代行を利用する前に退職金の支給条件を確認しておこう
退職代行を利用したことだけを理由に、退職金が減額されたり、受け取れなくなったりするとはかぎりません。退職金の有無や金額は、会社の就業規則や退職金規程、勤続年数、退職理由などによって決まります。
特に自己都合退職では、会社都合退職より支給率が低く設定されている場合があるため注意が必要です。また、退職金制度そのものがない会社もあります。
10年ほど勤めている場合でも、必ず退職金が支給されるとはかぎりません。退職代行を依頼する前に、就業規則や退職金規程を確認し、支給条件や金額の計算方法、支払い時期を把握しておきましょう。
出典
厚生労働省 モデル就業規則について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
