
実際に「キャンセル手数料無料なのに解約料」という相談も
政府広報オンラインでは、旅行予約サイトをめぐるトラブルの一例として、「キャンセル手数料無料」と表示された海外事業者のサイトでホテルを予約したケースを紹介しています。
全額をクレジットカードで支払った後、都合が悪くなって電話で解約を申し出たところ、「解約料がかかる。キャンセルポリシーに記載している」と言われたというものです。
旅行予約サイトでは、サイト上の表示が分かりにくいなどの背景もあり、消費者と事業者で契約条件について認識のずれが生じるケースがあります。
「キャンセル料無料」でも条件が付いている場合がある
「キャンセル料無料」と書かれていれば、いつキャンセルしても無料とは限りません。例えば「宿泊日の7日前までキャンセル無料」といった条件なら、それを過ぎてからキャンセルするとキャンセル料が発生することがあります。
また、同じホテルでも「キャンセル無料プラン」と「返金不可プラン」など、予約したプランによって条件が異なるケースもあるかもしれません。予約時には「無料」という文字だけを見るのではなく、「いつまで無料なのか」「どのような場合に料金が発生するのか」まで確認する必要があります。
「解約料4万円」は支払わなければならない?
それでは、仮に「キャンセル料無料」と表示されていたにもかかわらず4万円請求されたとすると、この金額は必ず支払わなければならないのでしょうか。これは「解約料という名前だから有効」「キャンセル料無料と書いてあったから無効」と単純に判断できません。
まず確認したいのは、予約時にどのような条件が提示されていたかです。「キャンセル手数料は無料だが、解約時には別途4万円かかる」といった条件が、消費者に分かりやすく表示されていたのかが重要になります。
政府広報によると、観光庁の「オンライン旅行取引の表示等に関するガイドライン」では、旅行予約サイトに旅行代金や支払方法、キャンセル条件などを分かりやすく表示することを求めています。
したがって、「解約料4万円」と書いてあれば無条件に4万円の請求が認められるとは限りません。反対に、金額が4万円だから直ちに不当とも判断できません。契約内容やキャンセル時期、表示方法などを個別に確認する必要があります。
なお、消費者契約法では、契約の解除に伴う違約金などについて、同種の契約の解除に伴って事業者に生じる「平均的な損害」の額を超える部分は無効とされています。
キャンセル料や解約料を請求されたらどうすればいい?
トラブルになった場合は、予約したときの画面や確認メール、利用規約、キャンセルポリシーなどを確認しましょう。特に「キャンセル料無料」と表示されていた画面が残っていれば重要な資料になります。
なお、海外の事業者が運営する予約サイトの場合、日本語で表示されていても日本の法律などに基づく交渉が難しい場合があるため、運営事業者が国内か海外かについても確認が必要です。自分では判断が付かない場合、消費者ホットラインや国民生活センターなどへの相談も検討しましょう。
まとめ
ホテル予約で「キャンセル料無料」と表示されていても、キャンセルした後に解約料などが請求される可能性はあります。どのような条件で無料と表示されていたのか、解約料について予約時に分かりやすく示されていたのか、4万円の根拠は何なのかなどを確認することが大切です。
納得できない請求を受けた場合は、予約画面や確認メールなどを保存したうえで事業者に説明を求め、それでも解決しなければ消費者ホットラインなどへ相談しましょう。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/ITパスポート/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
