
そもそも3号年金とは
第3号被保険者(3号年金)とは、全国民が加入する国民年金における被保険者資格の1つです。国民年金は社会保険の一種ですが、全員に加入義務があるため、感覚的には税金と変わらないと感じる人も多いでしょう。
国民年金の被保険者資格は、大きく以下の3種類に分かれています。
●第1号被保険者:20歳以上60歳未満で、厚生年金保険や共済組合等に加入しておらず、第3号被保険者にも該当しない人。自営業者や農業者、学生及び無職の人とその配偶者などが該当
●第2号被保険者:70歳未満の会社員や公務員で、厚生年金保険や共済組合などに加入している人
●第3号被保険者:厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者で、年収130万円未満の人
ただし、年収が130万円未満であっても厚生年金保険の加入要件を満たす働き方をしている場合は、厚生年金保険および健康保険に加入の必要があります。
第3号被保険者の保険料は、配偶者が加入する年金制度全体で負担されているため、自身で保険料を支払う必要はありません。また、直接保険料を納めていなくても、配偶者が厚生年金に加入している期間は「保険料納付済期間」として扱われ、将来受け取れる年金額に反映されます。
3号年金は廃止される予定?
第3号被保険者をめぐっては、以前から賛否両論の議論が続けられてきました。特に、近年は共働き世帯の増加や女性の社会進出といった社会情勢の変化に伴い、制度の廃止や見直しを求める声が一段と強まっています。
2026年9月には、厚生労働省が第3号被保険者の対象縮小に向けた有識者検討会の初会合を開催したことが話題となり、SNSなどを中心に議論が再び活発化しました。
見直しを求める主な理由としては、保険料を直接負担せずに将来年金を受け取れる仕組みに対して、単身世帯や共働き世帯から「不公平ではないか」という不満の声があることが挙げられます。
また、扶養から外れないように勤務時間を調整する「働き控え」を招いており、労働力不足の一因になっているという指摘も少なくありません。
3号年金の見直しは、現在議論が行われている段階であり、現時点で縮小や廃止が確定したわけではありません。とはいえ、仮に制度変更によって自身で保険料を納めることになった場合、将来もらえる年金額は据え置きのまま負担だけが増えるため、家計に大きな影響を与える可能性があります。
3号年金が廃止されると家計の負担はどの程度増える?
もし第3号被保険者制度が廃止され、専業主婦(夫)のまま自身で国民年金保険料を支払うことになった場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか。
令和8年度(2026年度)の国民年金保険料は、月額1万7920円です。これを年間で換算すると、21万5040円の費用負担が発生することになります。
一方、扶養を外れて働いて厚生年金に加入する道を選ぶと、給与から税金や社会保険料が差し引かれるものの、収入がゼロの状態で保険料だけを払う場合に比べて世帯全体の収支は大きくプラスになります。
例えば、時給1300円で1日6時間、週4日働いた場合、年間の総収入は約150万円です。年収150万円の場合、手取り額は約120万円のため、世帯収入がそれだけプラスとなります。
働き始めるかは各家庭の状況に応じて判断するべき
配偶者の扶養を抜けて本格的に働き始めると、世帯収入が大きく増えるというメリットがあります。一方、自分が家事・育児・介護などを行い働きに出るのが難しいのに社会保険料を引かれることに対して、理不尽だという意見も見られます。
前記の通り、3号年金の見直しはあくまで検討段階のため、焦って決断する必要はありません。まずは状況を見守りつつ、「もし自分が働き始めたらどうなるだろう」と、具体的なイメージを膨らませてみましょう。
専業主婦(夫)として家庭を支えることは、立派な価値ある役割です。周囲の声にとらわれず、各家庭の事情に合わせ判断することが大切です。
3号年金の見直しはまだ検討段階
3号年金の見直し議論が進むなか、今後の働き方に不安を感じる人も多いでしょう。しかし、制度変更はまだ検討段階のため、まずは「もし働き始めたら」と生活をイメージしてみるのがおすすめです。
扶養を抜けて働けば手取り収入は増えますが、家事との両立など生活の変化も生じます。家事や育児、介護なども大切な仕事の1つです。今後の動向を見守りつつ、家庭の状況に合わせて無理のない選択をしましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
