
自励式無効電力補償装置(STATCOM)は、電圧源変換器(VSC)で系統と並列接続し、無効電力と母線電圧を高速制御するパワーエレクトロニクス機器である。電圧低下時には容量性無効電力を供給し、上昇時には吸収することで、電圧安定性と送電容量を高め、電圧変動を抑制する。
自励式無効電力補償装置 (STATCOM)の写真
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自励式無効電力補償装置 (STATCOM)の世界市場規模
QYResearch調査チームの最新レポート「自励式無効電力補償装置 (STATCOM)―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」によると、自励式無効電力補償装置 (STATCOM)の世界市場は、2025年に1886百万米ドルと推定され、2026年には2140百万米ドルに達すると予測されています。その後、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)11.6%で推移し、2032年には4126百万米ドルに拡大すると見込まれています。
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上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「自励式無効電力補償装置 (STATCOM)―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」から引用されている。
STATCOMの構成・技術
STATCOMは、パワーコンバータ、DC側コンデンサ、連系リアクトル/変圧器、制御・保護装置、冷却設備などで構成される。主要上流部材はパワー半導体、コンデンサ、リアクトル、変圧器で、三菱電機、ABB、東芝、Siemens Energy、Infineonなどが供給する。容量は配電用途から100Mvar超の送電案件まで広がり、二レベルVSC、三レベルNPC、MMCが主要方式となる。
STATCOM需要を押し上げる再エネ系統
STATCOMは従来、製鉄、冶金、電気炉、鉄道など変動負荷の電力品質対策が中心だったが、現在は風力・太陽光発電所、再エネ基地、蓄電所、送電網へ需要の中心が移っている。同期発電機の減少により慣性・短絡容量・電圧支持が弱まるなか、STATCOMの高速無効電力制御と事故時の電圧支持が重要性を増している。2026年5月、日立エナジーもSTATCOMによる系統レジリエンス強化を示した。
系統側が最大市場、地域別ではアジア太平洋が先行
大容量STATCOMでは系統側が最大の市場価値を持ち、State Grid、China Southern Power Grid、National Grid、TenneT、Amprionなどが主要需要家である。中国・インドでは再エネ基地とUHV送電、欧州では洋上風力、北米では再エネ・老朽網更新・データセンター負荷、中東では大規模PVが需要を支える。2026年1月にはSiemens EnergyがAmprion向けにグリッドフォーミング機能を備えたSTATCOMをドイツで導入した。
E-STATCOMとSTATCOMの技術競争
E-STATCOMはSTATCOMのDC側に蓄電池やスーパーキャパシタを組み込み、無効電力だけでなく一定時間の有効電力も双方向制御する。周波数調整、仮想慣性、急速な負荷変動への対応に加え、AIデータセンターへの適用も注目される。2026年7月の日立エナジーのFACTS会合でも、E-STATCOMとAIデータセンターの関係が議論された。
STATCOMの競争優位は価格から系統ソリューションへ
世界市場ではHitachi、Siemens Energy、Sieyuan Electric、GE Vernova、Mitsubishi Electric、TBEA、Nidec、Hyosung、Sinexcelが競合し、上位3社の市場シェアは47.78%に達する。大容量案件では半導体、MMC、絶縁、制御、シミュレーション、現地調整まで総合力が必要である。今後は価格だけでなく、グリッドフォーミング、長期信頼性、弱系統への対応、ライフサイクルサービスを含む系統安定化能力が競争軸となる。
本記事は、QY Research発行のレポート「自励式無効電力補償装置 (STATCOM)―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」に基づき、市場動向および競合分析の概要を解説します。
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