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Monaco Week International Japan、映画『Everest: The Other Side』のヴェネツィア映画祭レポートを公開


【画像 https://www.dreamnews.jp/press/364677/images/bodyimage1】

『Everest: The Other Side』――悲しみを抱えながら、それでも生きていく

『Everest: The Other Side』は、スキー登山家のジム・モリソンとヒラリー・ネルソンが、エベレスト北壁の難ルートを登り、そこをスキーで滑降するという夢を追うドキュメンタリーです。壮大な山岳風景とともに描かれるのは、愛する人を失った悲しみと、それを抱えながら生きていく人間の姿です。

ジムは2011年、飛行機事故で妻と幼い二人の子どもを亡くしました。その後、愛する女性であり、登山のパートナーでもあるヒラリーと出会います。彼女と歩むことで、彼の人生に希望が戻り、二人で未来を思い描けるようになったのだと感じます。しかし、7年にわたる映画制作の過程で、再び悲劇が起きました。2022年、ヒラリーがネパールのマナスルでスキー滑降中に命を落としたのです。

それでもジムは、二人で思い描いた夢を実現しました。その目標や撮影チーム、身近な人たちの存在が、どれほど彼の支えになったのか、私には想像することしかできません。スクリーンを通して何より心に残ったのは、彼の深い悲しみでした。だからこそ、映画祭で拍手に包まれたときの彼の笑顔も、その背景を知ると、まったく違って見えるのです。

本作を手がけたのは、『フリーソロ』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したエリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィとジミー・チン。製作には、ナショナル ジオグラフィックの映画部門であるNational Geographic Documentary Filmsと、Little Monster Filmsが名を連ねています。

ジミー・チン自身も登山家であり、長年の仲間であるジムたちと山に入り、撮影に臨みました。一つの判断が命にかかわる環境では、撮影者にも登山家としての経験と判断力が求められます。その映像には、山の美しさだけでなく、大自然の前での人間の小ささや、一歩を踏み出すことの重みまでが映し出されているように感じます。

本作は2026年9月3日、第83回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション外部門で世界初上映されました。その後、アメリカのテルライド映画祭や、カナダ・プレミアとなったトロント国際映画祭でも上映。イギリスでは、BFIロンドン映画祭で10月10日と13日に上映が予定されています。

一般公開は、アメリカやイギリスなどで10月30日に予定されており、IMAXでも上映されます。公開日は国によって異なり、オーストラリアでは10月29日、フランスでは2027年1月13日の劇場公開が案内されています。日本での正式な劇場公開日は、現時点では確認できていません。日本でもこの作品を大きなスクリーンで観られることを願い、今後の発表を待ちたいと思います。

海外の批評では、迫力ある山岳映像や、喪失を抱えて生きる人間の描写が評価される一方、命を危険にさらしてまで夢を追うことや、家族、遠征を支える人々への責任を問う声もあります。そうした問いが観客の心に残ることも、この作品に深みを与えているのだと思います。私自身も、ただ「勇敢な挑戦だった」という言葉だけでは、この映画を語りきれません。

この映画は、私の心に重く、深い余韻を残しました。痛みが消えなくても、人生は続いていく。その日々を生きるために、どれほどの力が必要なのか、想像もつきません。エベレストの壮大な景色を映しながら、この作品が私に問いかけてきたのは、大切な人を失ったあと、それでもどう生きていくのかということでした。

※公開・上映情報は2026年10月8日時点のものです。

編集:Daisuke Tarutani
文・写真:Tetiana Pokhidnia
Monaco Week International Japan

【画像 https://www.dreamnews.jp/press/364677/images/bodyimage2】



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