
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000316285&id=bodyimage1】
1. 市場概況
2024年度(見込)の物流ロボティクス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比113.1%の404億3,000万円と推計した。ロボットのラインナップが拡充すると共に物流現場への導入が増加したほか、一案件あたりのロボット導入コストも上昇傾向にあるためである。
昨今の動向としては、倉庫賃料の上昇を背景に保管効率が求められるようになり、天井近くまで高密度な保管を実現するロボット自動倉庫の需要が増加した。また、ロボット1台で複数の商品ケースのピッキング・搬送を可能にするACRが日本市場に登場したことで注目を集めている。
市場に展開されるロボットのラインナップが増加したことで、物流現場での自動化の選択肢が増える一方、海外メーカーの日本市場参入も引き続き活発化しており、物流ロボットメーカーの競争は激化している。
なお、これまで大規模投資が必要となるロボットの導入は荷主企業が中心となり行われていたが、昨今は物流企業自身がロボットを現場に導入するケースも増加している。また、物流ロボットを購入ではなくサービスとして利用するRaaS(Robotics as a Service)展開が増えたことや、各種補助金が追い風となり、中小企業のロボット導入も徐々に見られるようになっている。
さらに、これまで消費者寄りの物流倉庫・小売や卸の物流センターへの導入が多かったが、工場横倉庫・パーツセンターなど工場寄りの倉庫にロボットが導入されるケースも見られ、物流ロボットが導入される現場が広がる傾向にある。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000316285&id=bodyimage2】
2.注目トピック~進出が進む海外物流ロボットメーカーの動向
国内の物流ロボティクス市場では、中国やヨーロッパをはじめとする海外メーカー製のロボットが占める割合が高まっている。
海外物流ロボットメーカーが日本市場に参入するにあたり、重要となるのは日本仕様に合わせたローカライズをどこまで出来るかという点である。例えば、ロボットのサイズを日本の物流現場に合わせた規格にカスタマイズするといったことや、細やかな保守・サポート体制の構築などが挙げられる。
また、日本語対応が可能なサポート窓口はあるのか、全国で対応できるのか、保守パーツは日本にあるのか等、ユーザーが安心してロボットを導入できる体制作りが求められる。
3.将来展望
物流ロボティクス市場規模は2027年度に733億3,000万円、2030年度には1,238億円になると予測する。
欧州や米国をはじめとする海外では、物流ロボットの導入が進んでいる。背景には、日本と同様に少子高齢化や労働力の減少があり、それに加えて物価や人件費の高騰がある。日本においても、地域によって人手不足は既に深刻な状況であり、物流現場での作業を自動化せざるを得ない状況になっていくものと考える。
また、今後は将来的に人手が減っていくことを見据えると、物流ロボットの活用を前提とした物流センター・物流倉庫の構築が必要であり、ロボット導入率が向上していくと見込まれる。こうした事業継続性を考えた上での導入のほか、荷主企業・物流企業ともに自社のビジネス拡大に向け、戦略的に物流ロボットの導入を進めるケースも増えていく見通しである。こうした背景から、2030年度の物流ロボティクス市場規模は1,000億円を超える規模になると予測する。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3762
調査要綱
1.調査期間:2024年10月~2025年2月
2.調査対象:物流ロボットメーカー、物流系インテグレーター、物流ロボットサービス提供事業者等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2025年2月28日
お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/
配信元企業:株式会社矢野経済研究所
プレスリリース詳細へ
ドリームニューストップへ