
1970年創業の冨岡商店より、樺細工を今日的な視点で見直し、現代的な魅力を持つ工芸へとアップデートし、海外でも高い評価を得ているプロジェクトの数々をお届けします。
秋田県角館の伝統工芸「樺細工」
山々に囲まれた土地、秋田県角館で育まれた樺細工。樺(かば)とは野生のヤマザクラの樹皮のこと。18世紀末に佐竹北家により、秋田県北部の阿仁地方から角館に技法が伝えられたのが始まりとされています。 古くは桜の樹皮(いわゆる「桜皮」のこと)を「かには」と呼び、正倉院の御物や、筆、弓、刀の鞘などにも山桜の樹皮を使ったものが見られます。
樺細工は、江戸時代中期に秋田県北部の阿仁地方に伝承された山桜の皮を利用した細工の技術を、佐竹北家の武士、藤村彦六が習得したのが始まりと伝えられています。藩政期の細工物には、印籠、眼鏡入れ、胴乱などが確認されています。明治期に入ると、禄を失った武士たちがもともと内職であった樺細工に本業として取り組み、新しい製品を開発するとともに、商品として問屋を介して徐々に市場を開拓し、大正期には秋田県の特産品として中央の博覧会にも出品されています。
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現在、樺細工の原料となる「山桜の樹皮」は、山々を守るための「更新」といわれる伐採計画のある木の副産物を使用しています。日本人が「山桜の樹皮」を使用し始めたのは縄文時代前期。当時はかごを補強するためのもの。それ以来さまざまな用途に用いられ、現代の樺細工へと繋がってきました。
冨岡商店では山林の更新作業(主に伐採木はパルプ原料に使用)が行われる広葉樹林中の山桜から樹皮を採取しています。梅雨明けから9月頃の期間に職人が自ら山に入り、伐採前の山桜の木に登り樹皮を採取します。その後伐採された山桜は萌芽、株立ちをして数倍に増えます。
山を守り、山からのいただきもので暮らしを営み、そしてまた山を守る。冨岡商店は、祖先より山々を丁寧に守り育ててきました。次世代に山からの豊かな恵みである樺細工を繋げていけるように「山とともに生きる」という文化を守り、育んでいます。
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マット・バーク・キャニスター (新シリーズ)
樺細工を今日的な視点で見直し、現代的な魅力を持つ工芸へとアップデートするプロジェクトのひとつ。樹皮の持つ有機的な凹凸の魅力を引き出すよう、白または黒のマット塗装を施しました。これにより伝統的な樺細工の工法では難しかった材料の使用が可能となり、限りある資源の有効活用が出来るようになりました。また内部は伝統的な工法で仕上げられ、赤く磨かれた伝統色が外装との美しいコントラストを生んでいます。
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kasanegasane 秋田県を代表する2つの伝統工芸がコラボしたトレイ
樺細工と大館曲げわっぱという秋田県の2つの伝統工芸がコラボレートしたトレイです。桜皮(山桜の樹皮)と秋田杉の2色構成によって美しいコントラストを生むと同時に、樺細工独特の表情を際立たせています。曲げわっぱをベースにして、その周囲に桜皮を貼った帯を重ねました。両側の帯を反り上げて少しずらすことで持ちやすくなり、見た目も軽快な印象になっています。
(下)Brilliant 上品で光り輝くイメージを樺細工で表現したプレート
ダイヤモンドのbrilliant cut(ブリリアンカット)に代表されるような、上品で光り輝くイメージを樺細工でモダンに表現したプレートです。裏面に傷がつきにくい石目塗装にすることで、機能的かつ高級感のある仕上がり。Brilliantシリーズのトレイ上面にはこのプレート3枚を並べられ、小箱にはプレートを収納することができます。
■開催期間:2025年3月1日(土) ~ 3月31日(月)
■時間:11:00~20:00 (東京ミッドタウンの営業時間に準ずる)
■場所:THE COVER NIPPON (東京ミッドタウン ガレリア3F)
詳細はこちら
https://thecovernippon.jp/20250301-tomioka-shoten/
【店舗情報】
THE COVER NIPPON
〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-3
東京ミッドタウンガレリア3階E-0305
tel 03-5413-0658
fax 03-5413-0659
年中無休(年始を除く) 11am-8pm
【企画・運営】
メイド・イン・ジャパン・プロジェクト株式会社
〒104-0054 東京都中央区勝どき5-5-14-314
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