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言論NPOは日本の有識者388人が回答したアンケート結果を公表しました


非営利シンクタンク言論NPO(東京都中央区、代表:工藤泰志)は7月23日、9月3、4日に開催する「アジア平和会議」を前に、「2024年の北東アジアの安全保障リスク」について、有識者を対象にアンケート調査を実施し、その上位10位を公表しました。この調査は、言論NPOの活動に参加する有識者1000氏を対象に実施し、388氏から回答を得たものです。
報道関係者の皆様には、この調査結果をぜひご報道いただくと同時に、9月3日・4日開催する「アジア平和会議」をご取材いただきたく、お願い申し上げます。また、当代表・工藤へのインタビューなどのご要請がありましたら、積極的に対応させて頂きます。

北東アジアの新たなリスクとして、「ロシアと北朝鮮」が急浮上
2024年の北東アジアの平和をめぐって、日本の有識者が最も懸念しているのは、「台湾海峡における偶発的事故」の40.7%(昨年27.4%)と「核保有国・北朝鮮の挑発的な行動」38.9%の二つが並びました。一方、この地域に「日米韓と中ロ朝の間で、『新冷戦』を想起させる対立構造が生じ始めている」(32%)、「『包括的戦略パートナーシップ条約』に署名した露朝関係が軍事同盟の水準に上がったこと」(31.4%)の二つもそれぞれ3割を超え、関係強化が進む「ロシアと北朝鮮」の動向が北東アジアの新たなリスクとして急浮上してきていることが明らかとなりました。
さらに「韓国と北朝鮮の関係が悪化し、朝鮮半島に緊張が存在する」の20.9%を加えると、上位10位には朝鮮半島のリスクを意識する項目が4つを占めたことになります。
これに「南シナ海における中国の行動によってフィリピンなど周辺国との間に緊張があること」が33%で続きました。

■「2024年の北東アジアの安全保障リスク」有識者アンケート概要
今回の有識者アンケートは、これまで言論NPOの活動や議論に参加し、言論NPOのデータベースに登録されている1000人を対象に6月29日から7月10日までインターネットによって実施。有効回収標本数は388人。
回答者の性別は、男性が84.8%、女性が14.4%。職業は、企業経営者・幹部14.2%、企業従業員9.3%、メディア幹部4.1%、メディア従業員8.0%、国家公務員3.4%、地方公務員0.5%、国会議員0%、地方議員0.3%。年代は、20歳未満1.0%、20代2.6%、30代7.0%、40代9.8%、50代25.3%、60代24.5%、70代19.1%、80代以上10.8%となっている。

▼アンケートの詳細は下記からもご覧いただけます
https://www.genron-npo.net/world/archives/18964.html




【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000301614&id=bodyimage1


その他にも、以下についても回答をいただいています

北東アジアにおける紛争や衝突について、半数が起こり得ると回答し、地域としては「台湾海峡」が最多となる一方、「南シナ海」が昨年から急増している
現在の北東アジア地域が、紛争や衝突が起こりうる切羽詰まった状況にあると思うかを尋ねたところ、「そう思う」が50%(昨年50.5%)となり、有識者の半数がこの地域の平和の現状に対して懸念を抱いていることになりました。ただ、「そう思わない」という回答も39.7%(昨年40.8%)と4割存在しています。
軍事紛争勃発の可能性を考えた場合に、どの地域が最も危険だと思うかを尋ねたところ、「台湾海峡」が40.5%で突出している構図は昨年と同様である。ただ、昨年の54.4%からは13.9ポイント減少している。増加が顕著だったのは「南シナ海」で、昨年の6.3%から今年は26.3%へと20ポイント増加している。
5つの地域を挙げた上で、それぞれにおける軍事紛争や衝突が勃発する可能性について質問した結果、「数年以内に起こる」と「将来的には起こる」という回答の合計が最も多かったのは、例年と同様に「台湾海峡」で、67.5%(昨年66.9%)と7割近い。次いで、「南シナ海」となっているが、昨年の50.1%から66.8%へと16.7ポイント増加している。「朝鮮半島」は62.1%(昨年54.3%)だった

北東アジアの平和のために必要なこととして「日中、米中などの大国関係の安定」との回答が最多となり、「中国との対話を優先的に進めること」が続く
北東アジアの平和維持と紛争回避、さらには将来の持続的な平和を実現するために、取り組むべき最も重要な課題について尋ねた。その結果、「日中、米中などの大国関係の安定」が44.8%で最も多い回答となった。次いで「北東アジアの安定のために、日本が中国との対話を優先的に進めること」が26.3%で、「中国の軍事台頭に対する日米同盟、米韓同盟など米国主導の抑止力の向上」の21.6%を上回っており、日本の有識者は対中国外交の展開が必要だと考えている。
「北東アジアで事故防止に関わる二国間や多国間の協定など、この地域の紛争回避に向けたルールの模索」(21.6%)、「紛争回避や持続的な平和実現のために、欧州安全保障協力機構(OSCE)のような仕組みを北東アジアに創設することや、それに向けた多国間民間対話をより積極的に行うこと」(16.2%)も上位に付けており、「アジア平和会議」がまず民間レベルで目指している事故防止協定や多国間平和のための仕組みづくりの必要性を、多くの有識者が認識していることも明らかとなった。「アジア版NATOを創設すること」は3.6%だった。

頼清徳氏が就任しても台湾有事の可能性は「変わらない」との回答が最多となるが、可能性が「高まった」との見方をも3割を超える
台湾の新総統に、中国から「独立派」として警戒される頼清徳氏が就任したが、このことによる台湾有事の可能性の変化について予想してもらったところ、「可能性は変わらない」との見方が65.5%で突出している。ただ、「大幅に」(3.1%)、「ある程度」(27.1%)の二つを合計すると、「高まった」との見方を示した有識者も3割いる。

北朝鮮の核については、交渉と中国の役割を重視する有識者が多い
事実上の核保有国となった北朝鮮の行動に対して、世界が最も優先すべき取り組みを答えてもらったところ、「朝鮮半島の平和と非核化に向けて、中国も含めた多国間の交渉体制を再構築するための努力を行う」が37.6%で突出し、「米国の核の拡大抑止の力を高めるほか、日米韓の安全保障協力を強める」の19.3%を大きく上回っているなど、交渉と中国の役割を重視する有識者が多いことが明らかになっている。
「北朝鮮の核保有を事実上認めた上で、核軍縮・軍備管理のための議論を始める」という核保有を容認する回答は10.1%だが、昨年の4.5%からは倍増している。
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現状を「新冷戦」と考える人と、将来そうなるとの回答が6割を超える
北朝鮮の金正恩総書記は、中露朝三カ国と日米韓三カ国の陣営対立を「新冷戦」と呼んでいる。日本の有識者でも、北東アジアがこの「新冷戦」状況になっていると考えている人は34.5%いる。さらに、「今はそうなっていないが、いずれそうなると思う」との見方も25.8%あり、この二つを合計すると6割が将来的に「新冷戦」状態になると考えていることになる。ただ、「今はそうなっていないし、今後もそうならないと思う」との見方も30.4%と3割ある。

中国の今後の対応について、表向きはロシアと北朝鮮との結束姿勢をとるものの、実質的には距離を取り始めるとの回答が7割に迫る
「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名し、ロシアと北朝鮮は軍事同盟にも等しい関係となった。そこで、中国の今後の両国への対応を予想してもらったところ、「表向きは中露朝は結束しているという姿勢を取り続けるが、実質的に露朝と距離を置き始める」との見方が67%で突出しており、「名実ともにロシア・北朝鮮と距離を置く」との見方の4.1%と合計すると7割を超える有識者が中国は今後、露朝と距離を置くと見ていることになる。

日本外交の在り方として「米中対立を乗り越え、地域の平和と協力のために日米中韓が結束できるように努力するべき」との回答が5割に迫る
「新冷戦」とも言うべき局面において、日本外交に問われているものについて聞いた結果、「日本は米中対立を乗り越え、この地域の平和と協力のために日米中韓が結束できるように努力すべき」が49.7%で突出している。「日本はこれまで通り米国や韓国などとの連携強化に重点を置くべき」(23.7%)、「日本は平和の安定のために、中国との対話を急ぐべき」(22.9%)はそれぞれ2割程度であり、日本の有識者は「日米韓」でも「日中」でもなく、「日米中韓」の枠組みを強く求めている。

▼アンケートの詳細は下記からもご覧いただけます
https://www.genron-npo.net/world/archives/18964.html



【言論NPOとは】
言論NPOは、「健全な社会には、当事者意識を持った議論や、未来に向かう真剣な議論の舞台が必要」との思いから、2001年に設立された、独立、中立、非営利のネットワーク型シンクタンクです。2005年に発足した「東京-北京フォーラム」は、日中間で唯一のハイレベル民間対話のプラットフォームとして18年間継続しています。また、2012年には、米国外交問題評議会が設立した世界25カ国のシンクタンク会議に日本から選出され、グローバルイシューに対する日本の意見を発信しています。この他、国内では毎年政権の実績評価の実施や選挙時の主要政党の公約評価、日本やアジアの民主主義のあり方を考える議論や、北東アジアの平和構築に向けた民間対話などに取り組んでいます。
また、2017年には世界10カ国のシンクタンクを東京に集め、東京を舞台に世界の課題に関する議論を行う「東京会議」を立ち上げ、会議での議論の内容をG7議長国と日本政府に提案する仕組みをつくり出しました。
さらに、米中対立下で、米国と中国が出席する4カ国の「アジア平和会議」を2020年1月に創設し、歴史的な作業に着手しています。

【「アジア平和会議】とは】
「アジア平和会議」は、北東アジアの平和に責任を有する日米中韓4カ国の実務経験者や有識者が、この地域の平和のため諸課題の解決について話し合い、地域の持続的な平和秩序づくりのため歴史的な作業に乗り出すための舞台です。2020年1月に創設されました。協議内容の大部分は公開され、参加国だけではなく世界にも発信されます。日米中韓が北東アジアの平和づくりに共同で取り組む姿やその中での合意を各国の社会や国際社会へ伝えることで、北東アジアの平和づくりに向けた世論環境の形成に寄与することを目指しています。



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