starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

【矢野経済研究所プレスリリース】カーボンニュートラル実現に向けた国内のエネルギー・フロー変革状況調査を実施(2023年)~国内の最終エネルギー消費の市場規模は省エネ対策が進展して減少を予測~


株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2030年度(中間目標)、2050年度(最終目標)に国内のエネルギー・バランス・フローが大きく変革する状況について調査・分析した。ここでは、国内のエネルギー供給事業の市場規模予測(エネルギー量、金額)について、公表する。

1. 市場概況

2050年カーボンニュートラル実現のために、我が国ではエネルギーの脱炭素化が要求されている。現状、CO2を排出しない一次エネルギー(天然の状態で採取されたエネルギー源)は、原子力発電と再生可能エネルギーであり、カーボンニュートラルのためにはこれらの導入拡大が必要である。

これに対して、CO2を排出する化石燃料を使う場合には、製造時や使用・転換時に排出されるCO2を回収して、地中貯留する(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)か、再利用(CCU:Carbon dioxide Capture and Utilization)して脱炭素化する必要がある(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)。
一方で、再生可能エネルギーを利用して製造するグリーン水素・グリーンアンモニアや、CCUSで化石燃料を脱炭素化して製造するブルー水素・ブルーアンモニアは、新たな脱炭素エネルギーとなる。また、グリーン水素やブルー水素を使用して、脱炭素の合成燃料や合成原料を製造できる。
カーボンニュートラルのためには、今後、上記のカーボンニュートラル燃料(脱炭素燃料)と、それらをエネルギー源とする発電電力が使用されていくことになる。特に、脱炭素化された電力を最終エネルギー消費に多く適用出来れば、より多くの需要分野を脱炭素化できる。

カーボンニュートラルに伴って、国内のエネルギー・バランス・フロー(一次エネルギー、二次エネルギー、最終エネルギー消費)は、既存のエネルギー源に対して、新たに水素やアンモニア、合成燃料等が組み込まれて大きく変革されることになる。

2.将来展望

今後、2050年カーボンニュートラル実現のために、省エネ対策が進むとともに、カーボンニュートラル燃料(脱炭素燃料)と、それらをエネルギー源とする発電電力が使用されていくことから、国内の一次エネルギー供給の市場規模(エネルギー量ベース)は、2023年度の19,630PJ※から2030年度に17,020PJ、2050年度には16,000 PJになると予測する。また、金額ベースの市場は、2023年度の35.3兆円から2030年度は30.2兆円、2050年度には21.8兆円になると予測する。カーボンニュートラルに向けて国内の省エネ対策が着実に進むことで、一次エネルギー供給量は大きく減少する見通しである。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000290450&id=bodyimage1

一方、最終エネルギー消費の市場規模(エネルギー量ベース)は、2023年度の13,010 PJから2030年度に10,550PJ、2050年度には9,010PJになると予測する。また、金額ベースの市場は、2023年度の51.6兆円から2030年度は44.0兆円、2050年度には48.0兆円になると予測する。最終エネルギー消費量は、先ず2023年度から2030年度まで省エネ効果が大きく、その後2050年度に向けても、省エネ効果により減少する見通しである。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000290450&id=bodyimage2

この間に、水素やアンモニア、その他各種カーボンニュートラル燃料の市場導入量が拡大することにより、エネルギー・バランス・フローにおいて相対的に多くのエネルギー転換プロセスが導入される見込みである。これにより、最終エネルギー消費時点におけるエネルギー平均単価は、2023年度の3.97円/MJ※から、2030年度に4.17円/MJ、2050年度には5.33円/MJに増大する見通しとなる。平均単価の上昇を抑制するためには、一次エネルギー供給時点のエネルギー平均単価を下げていかなければならない。

※PJ(ペタジュール)=10の15乗J(ジュール)、MJ(メガジュール)=10の6乗J(ジュール)

※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3394

調査要綱
1.調査期間:2023年4月~10月
2.調査対象:エネルギー供給事業者(電力、ガス、石油)、設備・システムメーカー、エンジニアリング会社、商社、需要家[鉄鋼会社、化学会社、自動車会社、運輸会社(陸運、鉄道、航空、船舶)他]、関係省庁、業界団体等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2023年10月30日

お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press

株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/



配信元企業:株式会社矢野経済研究所
プレスリリース詳細へ

ドリームニューストップへ
    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.