全米生物医学研究協会が国際自然保護連合によるオナガザル科マカク属のサルのレッドリスト登録に異議を唱える請願書を提出
- 2023年06月19日 09:30:00
- マネー
- Dream News
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全米生物医学研究協会のMatthew R. Bailey会長は次のように述べています。「ヒト以外の霊長類は、研究対象動物全体に占める割合は0.5%未満ですが、人やペットのための新薬、機器、およびワクチンの開発において重要な役割を担っています。研究で使用されるオナガザル科マカク属のサルがいなくなると、何万もの医薬品と治療薬が、研究開発のパイプラインを通過することができなくなる可能性があります。オナガザル科マカク属のサルがレッドリストに登録されること、およびそれに伴う輸入制限は、入手可能な最良の科学的証拠に基づくものでなければなりません。オナガザル科マカク属のサルの輸入に恣意的な制限が課されると、数百万人の人命が危険にさらされ、世界の公衆衛生が脅かされる恐れがあります。
IUCNによるオナガザル科マカク属のサルの絶滅危惧種としてのレッドリスト登録は、この判断が査読された科学的情報に基づいていないため、危険な前例となります。このような恣意的な行動は、米国や他の国々で生命を救うための医学研究をさらに困難にするため、特に問題です。」と述べています。
IUCNが2022年に完了した評価では、オナガザル科マカク属のサルを脆弱な状態から絶滅危惧種への再分類を裏付ける科学的根拠を提示できていません。IUCNの評価には多数の誤りと虚偽の内容が含まれており、過去の評価と比較して種が減少しているという実際の証拠も示されていません。
ヒト以外の霊長類は現在、神経科学、神経変性疾患、感染症、免疫療法、生殖、老化、慢性炎症性疾患などにおいて、かけがえのない存在です。ヒト以外の霊長類とヒトのDNAは、93%から98%が同じで、脳の構造も似ており、また体の仕組みも似ているため、新薬やワクチン、生物製剤を生み出す生物医学研究での発見のカギを握っています。現在市販されている医薬品の圧倒的多数は、ヒトの臨床試験に移行する前に、複数の動物モデルによる安全性と有効性のデータに依存していることが、米生物医学研究財団による上位25の医薬品と動物モデルの調査によって実証されています。
全米生物医学研究協会会長のMatthew R. Bailey氏は、2023年6月19日月曜日にジュネーブで開催される、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(CITES)の動物委員会で証言し、このレッドリスト登録の見直しを求めます。
背景
米国では、医薬品開発のための医学研究にオナガザル科マカク属のサルが広く利用されています。全米アカデミーズの報告書「生物医学研究におけるヒト以外の霊長類モデル:科学の現状と今後の必要性」(2023)では、動物実験に続いてヒトの臨床試験を行うことが、現在、医薬品の複雑な影響を、生理学、神経解剖学、生殖学、発達面、および認知面で調べ、市場向け承認を得るための安全性と有効性を判断する最良の方法であることが強調されています。米国食品医薬品局と欧州医薬品庁を含む世界中の主要な規制機関は、ほとんどの新薬や生物製剤について、ヒトの臨床試験を安全に開始する前に、げっ歯類および非げっ歯類(ヒト以外の霊長類を含む)の動物モデルで、安全性と有効性を評価することを求めています。
IUCNは2022年3月7日に、オナガザル科マカク属のサルをIUCNの登録基準で「絶滅危惧種」とみなすべきと判断しました。この判断の根拠は、M.F.Hansen氏を含む複数の著者が実施した評価(Hansen et al.2022)において、概説されています。
NABRは2023年6月15日に、IUCNにレッドリスト登録ステータスの変更に異議を申し立てる請願書を提出しました。請願書の作成に携わった科学者らは、最近の状況の判定を裏付けるデータが不足している点を指摘しています。その嘆願書では、そのHansen氏らの著作(2022)のレビューにおいて、参照された科学文献は多くの場合で誤って解釈されており、そうした情報はオナガザル科マカク属のサルが減少したことを実証するものではないと指摘しています。
NABRがこの請願書を提出することで、IUCNによる科学的審査が行われることになります。この審査では、科学者が入手可能な最良の科学的情報を検討して、IUCNの基準に基づいてオナガザル科マカク属のサルの状況を判断します。このプロセスが終了すると、IUCNはその結果を発表し、登録状況に変更があれば、その旨を発表することになります。
National Association for Biomedical Researchについて
1979年に設立された全米生物医学研究協会(NABR)は、米内国歳入法による唯一の501(c)(6)非営利団体で、生物医学研究、教育、および試験における動物の人道的使用のための健全な公共政策を目的としています。会員には、340以上の大学、医学部、獣医学部、教育病院、製薬・バイオテクノロジー企業、患者団体、および学会・専門職業協会が含まれ、世界のヒトと動物の健康を促進するために、人道的で責任ある動物研究に依拠しています。同協会の詳細については、www.nabr.orgをご覧ください。
問い合わせ先: Eva Maciejewski
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