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大麻草の責任ある合法規制のための20の原則の和訳を公表。健康と人権、社会正義、公平な貿易、ジェンダーに配慮などを指摘



大麻草は、アルコールとタバコを除いて、世界で最も広まっている薬物です。古い汚名(スティグマ)が崩れ、50カ国以上で医療用又は娯楽用の合法的市場が形成しつつあります。

国際薬物政策コンソーシアム(IDPC)は、米国の一部やカナダでの大麻草の合法規制は、変革のための強力なツールであるが、銀の弾丸(一発解決できる方法)ではないことを指摘しています。合法規制は、欧米企業の利権の取り込み、対麻薬戦争の弊害の救済措置がないこと、大麻以外の薬物の扱いについて課題があり、これらへの対処が求められています。

日本臨床カンナビノイド学会(新垣実理事長)は、国際薬物政策コンソーシアム(IDPC)の「大麻草の責任ある合法規制のための20の原則」の仮訳を本学会WEBページにて今月2日に公表した。

大麻草の医療利用、成人用の非医療利用において合法規制を考える上での、20の原則を提案しています。

その原則は、薬物使用者の健康と人権の保護、懲罰的政策の弊害を修復するための社会正義の推進、合法的市場における公正な貿易、大麻以外の薬物の個人的使用の罰則の撤廃、ジェンダーに配慮したアプローチをカバーしています。

急速に立ち上がる合法的な大麻市場に対して、政策立案者が議論を深めるためのツールとなっています。日本では馴染みのない「非犯罪化」「合法化」「合法規制」という用語の意味を確認しながら、世界各地で社会実験が進む合法規制のあり方について、多様な論点があることを知るための原則となっています。

●目次

エグゼクティブサマリー
序章
薬物使用者の健康と人権

原則1 薬物使用者の権利を保護するために合法規制を利用する
原則2 公衆衛生を保護し、ハームリダクションアプローチを採用する
原則3 個人の自主性、自由、プライバシーの促進
原則4 アクセスしやすく、ニーズに基づいた合法的市場の創出

社会正義

原則5 政策決定プロセスに影響を受けるコミュニティを参加させる
原則6 インフォーマル市場に関与する者が合法的に移行できるようにする
原則7 中小規模の栽培コミュニティの参加を優先する
原則8 賠償、満足及び再発防止措置の策定
原則9 大麻の伝統的な文化的、薬用、宗教的用途の保護

グローバルなサプライチェーンを通じた包括的かつ公平な貿易政策

原則10 最も恵まれない人々に焦点を当てたインクルーシブなビジネスモデルを優先する
原則11 労働者の権利を擁護し、公正な労働慣行を促進する
原則 12 認証制度を通じた価値の最大化と権利の保護
原則13 世界的な薬物管理体制がもたらす国際貿易の課題に取り組む
原則14 気候を保護し、環境に配慮した持続可能な活動を推進する

合法的市場外での薬物活動への法的対応

原則15 個人的な薬物使用に関連した犯罪に対するすべての処罰を終了する
原則16 その他の薬物活動に対する刑事司法の対応が厳密に比例していることを保証する

ジェンダーに配慮したアプローチ

原則17 大麻栽培に携わる女性の特定のニーズに取り組む
原則18 薬物を使用する女性のための適切な保健サービスへのアクセスを確保する
原則19 法曹市場のあらゆる側面におけるジェンダーの不平等を終わらせる

学習と規制の改善

原則20 データを収集し、市場を監視し、コミュニティからのフィードバックを収集する



【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000223402&id=bodyimage1

●20の原則で使われている用語集「非犯罪化」「合法化」「合法規制」

非犯罪化とは、特定の薬物行為-通常は個人的な薬物使用と個人的使用のための所持や栽培のような活動-に対して、刑務所などの刑事罰を取り除くことを意味する。非犯罪化は、合法化や合法規制とは独立して実施することができ、また頻繁に実施されている。非犯罪化は、懲罰的な薬物政策を終わらせ、健康へのアクセスを確保するために必要なステップである。現在、約30カ国が、個人的な薬物使用および付随的な活動の公式または非公式な非犯罪化の何らかのモデルを採用している。

●合法化とは、通常は医薬品の製造、栽培、販売など、医薬品の供給に関連する特定の薬物活動を合法化するプロセスである。合法化は一回限りの介入であり、いったん実施された薬物市場がどのように機能するかを説明するものではない。

●合法規制とは、自動車の運転からアルコールやスケジュール薬物に至るまで、リスクの高い合法化された製品や行動の市場をコントロールするために、国家が確立した規則の枠組みを指す。合法化は薬物の合法市場を作るという新規性を強調しているが、合法規制は、国家が何世紀にもわたって危険な行動のコントロールに成功してきたことを示している。合法化とは反対に、合法規制は継続的で反復的なプロセスであり、スケジュール薬物の合法的市場を作るために現時点で利用可能な政策の選択肢全体を明らかにするものである。

●大麻草の責任ある合法規制のための20の原則
の詳しいレポート全文は、こちらをクリックしてください。
http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=106702

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日本臨床カンナビノイド学会

2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会;International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。2019年7月段階で、正会員(医療従事者、研究者)67名、賛助法人会員12名、 賛助個人会員23名、合計102名を有する。http://cannabis.kenkyuukai.jp/

日本の大麻取締法 Cannabis Control Act

我が国における大麻は、昭和5年(1930年)に施行された旧麻薬取締規則において、印度大麻草が≪麻薬≫として規制されてきた。第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により印度大麻草と国内の大麻草は同一だと指摘を受け、一旦は、大麻草の栽培等の全面禁止が命じられた。ところが、当時の漁網や縄などの生活資材に必要不可欠であり、国内の農家を保護するために大麻取締法(1948年7月10日制定、法律第124号)を制定した。医師の取り扱う麻薬は、麻薬取締法(1948年7月10日制定、法律第123号)となり、農家が扱う大麻は、大麻取締法の管轄となった。その後、化学繊維の普及と生活様式の変化により、大麻繊維の需要が激減し、1950年代に3万人いた栽培者が1970年代に1000人まで激減した。欧米のヒッピー文化が流入し、マリファナ事犯が1970年代に1000人を超えると、それらを取り締まるための法律へと性格が変わった。つまり、戦後、70年間で農家保護のための法律から、マリファナ規制のための法律へと変貌した。2016年の時点で、全国作付面積7.9ha、大麻栽培者34名、大麻研究者400名。この法律では、大麻植物の花と葉が規制対象であり、茎(繊維)と種子は、取締の対象外である。栽培には、都道府県知事の免許が必要となるが、マリファナ事犯の増加傾向の中、新規の栽培免許はほとんど交付されていない。また、医療用大麻については、法律制定当初から医師が施用することも、患者が交付を受けることも両方で禁止されたままである。



配信元企業:一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会
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