【A.T. カーニー 2018年グローバル都市調査】 世界のリーダー都市1位は今年もニューヨーク。東京は、同ランキングで6年連続4位、将来有望な都市では23位から14位に上昇し、過去最高位に
- 2018年05月29日 14:00:00
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経営コンサルティング会社A.T. カーニー(本部:米国イリノイ州シカゴ、東京オフィス:港区)は、今年で8回目となる「グローバル都市調査(Global Cities)」を実施し、2018年5月29日 、最新の結果を発表した。
本調査は、都市の現在のパフォーマンスを評価する「グローバル都市指標(Global Cities Index:GCI)」と、将来の有望性を分析する「グローバル都市展望(Global Cities Outlook:GCO)」の2つで構成される。今年は全世界135都市を対象に調査を行った。この結果は、グローバル企業が拡大、投資、人材獲得に最も適切な場所を選定する際に有用で、2つの調査は相互を補完し、世界トップの都市の現況と今後成長が期待される都市の有望性についての見方を提供している。
また、今年の調査では、最近ますます世界中の人材や企業投資を惹きつけている中国の巨大都市についても特記している。
A.T. カーニーのパートナーで本調査の共同指揮をとるマイク・ハイルズは、次のように述べている。「アマゾンの米国内第2本社の設立先を巡って誘致合戦が繰り広げられたように、各都市間の競争は現実にあり、競争に勝つことで得られるものもこれまでになく大きくなっている。しかし、多くの都市で、投資や人材を惹きつけるため適切な分野に投資するメリットが理解されないまま、手遅れになっているケースが見られる。私たちは、企業経営者が現在機会のある場所、将来有望な場所を選定するためだけでなく、都市が開発・変革を目指してより積極的な戦略を策定する基盤として、本調査を役立てて頂きたいと考えている」。
■グローバル都市指標(GCI)
本調査は、「ビジネス活動」「人的資源」「情報交換」「文化的経験」「政治的関与」の5つの観点、27の評価基準を基にランク付けしたものであり、世界で最も影響力のある各都市のパフォーマンスやグローバル展開に関する洞察を提供している。
グローバル都市指標では、ニューヨークが2年連続で、世界で最も競争力と影響力の高い都市となった。ニューヨークは、「ビジネス活動」において大きく改善し、「人的資源」においても世界トップのスコアを獲得して、首位の座を確固たるものとした。
A.T. カーニーのコンサルタントで本調査の共同著者であるニコル・デシバーグ・フリーアは「GCIは、企業が事業戦略を変更する際に、成長を実現して適切なバランス人材で業績を維持するためには、どこでどのように活動すれば良いかを決定するための重要な情報になる」と述べている。
1 ニューヨーク
2 ロンドン
3 パリ
4 東京
5 香港
6 ロサンゼルス
7 シンガポール
8 シカゴ
9 北京
10 ブリュッセル
11 ワシントンD.C.
12 ソウル
13 マドリード
14 モスクワ
15 シドニー
16 ベルリン
17 メルボルン
18 トロント
19 上海
20 サンフランシスコ
21 ウィーン
22 アムステルダム
23 バルセロナ
24 ボストン
25 ブエノスアイレス
■グローバル都市展望(GCO)
グローバル都市展望は、「個人の幸福度」「経済」「イノベーション」「ガバナンス」の4つの観点、13の評価基準を基に、既に地位を確立した都市に対抗しうる都市を特定している。
グローバル都市展望では、サンフランシスコが4年連続で首位の座を守った。シリコンバレーの高成長企業がけん引役になっているサンフランシスコは、引き続き、「イノベーション」面で優れている。
A.T. カーニーのパートナーで、グローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシルのマネージングディレクターを務めるエリック・ピーターソンは次のように述べている。「勢いがある都市には、イノベーションと発展に対する強いコミットメントを伴うエコシステムがある。これまで以上に、都市は成長を推進する投資を引き付けることが重要になっている。本調査で上位に入った都市は、そのために何をすべきかを理解している」。
1 サンフランシスコ
2 ニューヨーク
3 ロンドン
4 パリ
5 シンガポール
6 アムステルダム
7 ミュンヘン
8 ボストン
9 ヒューストン
10 メルボルン
11 ストックホルム
12 トロント
13 チューリヒ
14 東京
15 シカゴ
16 ジュネーブ
17 バンクーバー
18 ベルリン
19 シドニー
20 モスクワ
21 モントリオール
22 ブリュッセル
23 コペンハーゲン
24 ワシントン D.C.
25 ウィーン
■中国の巨大都市の成功から学べること
10年前のグローバル都市指標で取り上げた中国の7都市のスコアは、毎年平均1.8パーセントの伸びを示し、アフリカ以外の他の全ての地域の成長率を上回っている。A.T. カーニーは、これら都市の成功の理由を検証し、彼らの都市変革への取り組みから他都市が学べる教訓を導き出した。
A.T. カーニーのパートナーで本調査の共同著者であるアンドレス・メンドーサ・ペーニャは次のように述べている。「過去10年間、私たちは中国のいくつかの都市を追跡してきた。そして、都市、地域、国が協力して戦略を策定し、総合的に開発を進めることが大きな進歩につながることを目の当たりにした。中国の都市のインフラは、ハイテクスタートアップの繁栄に最適な事業環境を作り出している。多くの優秀な人材も中国の豊富な文化的、教育的機会に惹かれて集まってきている」。
■ 日本の都市の位置づけ
(1)東京
・グローバル都市指標では、6年連続で4位を維持した。
・グローバル都市展望では、昨年の23位から14位に上昇し、調査開始以来、最も高い順位になった。
(2)大阪
・グローバル都市指標では50位(昨年は51位)
・グローバル都市展望で、昨年の41位から39位に少し順位を上げた
(3)名古屋
・グローバル都市指標では70位(昨年も70位)
・グローバル都市展望で、昨年の42位から34位に上昇し、大阪と逆転した
■調査概要
2018年グローバル都市調査は、世界135都市を対象とし、次の2つの調査から構成される。
・グローバル都市指標(Global Cities Index):2008年に開始。「ビジネス活動」「人的資源」「情報交換」「文化的経験」「政治的関与」の5つの重要な観点、27の評価基準で、都市の現在のパフォーマンスを検証したものである。
・グローバル都市展望(Global Cities Outlook) : 2015年に開始。「個人の幸福度」「経済」「イノベーション」「ガバナンス」の4つの観点、13の評価基準で、各都市の将来的有望性を評価している。
※本リリースは「2018年グローバル都市調査」の抄訳です。レポート全文(英語)はこちらをご覧ください
https://www.atkearney.com/2018-global-cities-report
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