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公開シンポジウム開催「生物学者がみる帰還困難区域の現状とそこに生きる牛」 福島第一原発被災地域において長期被ばくが牛の生体に及ぼす影響調査・研究経過を報告



 2011年3月に発生した福島第一原発事故の旧警戒区域内では,事故当時牛3,500頭、豚30,000頭、鶏675,000羽が飼養されていましたが,畜舎に繋留されたままの動物や自生野草の少ない時季に野に放された動物の多くは餓死し,生き残った家畜は国の方針により飼い主の同意を得た上で安楽殺処分が行われました。同意した飼い主も悩んだ末での決断でしたが,どうしても安楽殺処分に同意できずに家畜の飼養継続を選択した農家も多数いました。しかし,立ち入りが制限されている中で出荷できない牛を飼い続けることは大変困難なことでした。
このような中,岩手大学,北里大学,東北大学,東京大学等の研究者は,牛の飼養継続を決断した13戸の農家とともに,2012年9月に日本獣医師会のバックアップのもと,「原発事故被災動物と環境研究会(旧称:家畜と農地の管理研究会)」を設立し,飼料確保の支援や獣医療の提供など牛のQoL(生活の質)向上のための活動を行ってきました。
また、日本中央競馬会(JRA)・草地畜産種子協会のご支援により,放射性物質による環境汚染や持続的低線量被ばくの生体影響に関する研究を行ってきました。この地域の牛たちは毎時数マイクロシーベルトから数十マイクロシーベルトの被ばくを受けながら今日まで生き続けていますが,大型哺乳類が被ばくをしながら長期間飼育されたことはこれまで世界中にも例がなく,実験的に再現することも不可能なため,これらの牛は低線量長期被ばくの影響に関して貴重なデータを提供してくれるものです。

福島第一原発から北西へ11キロ地点にある浪江町小丸共同牧場で今を生きる牛の親子
年間の被ばく線量が100ミリシーベルトを超えるため〔帰還困難区域〕震災から7年間、畜主は仮設住宅から毎日通って面倒をみている



 事故後7年余りが経過して一部の避難区域では避難指示が解除されるなど,復興への取り組みが徐々に成果を上げつつある中で,まだ放射線被ばくの影響に不安を感じている市民も多数いらっしゃると思います。
今回のシンポジウムは,これまで行ってきた研究成果の一端を広く市民の方々に公表するとともに,帰還困難区域で暮らす牛たちの現状を知っていただくことを目的に開催いたします。

是非、会場に足をお運びいただきますよう切にお願いいたします。




原発事故被災動物と環境研究会 公開シンポジウム

生物学者がみる帰還困難区域の現状とそこに生きる牛
~東日本大震災・福島原発事故から7年 長期低レベル放射線被ばくの影響を考える
● 日程 2018年3月21日(水・祝)
● 時間 開場13:15 開催13:30~16:30予定
● 会場 コラッセふくしま 多目的ホール
● 参加費 参加無料 

【主催】 一般社団法人 原発事故被災動物と環境研究会

●本件に関するお問い合わせ
一般社団法人 原発事故被災動物と環境研究会
事務局 : 担当 大谷(おおたに) 090-2023-9353
Email: info@liffn.com    
HP: http://liffn.com   ※2017年11月よりURLが変更となりました





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