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東アジアの都市が米国のAI覇権を脅かす、オブザーバーの「AI Cities Index」が指摘




  • 人工知能(AI)の開発、資金提供、導入において、東アジアの都市が米国を猛追


  • この分析は、オブザーバーが初めて公表したAI Cities Indexに基づくもの。同指数は、世界のAI競争を主導する都市を明らかにする、この種のものとしては初のレポート


  • 米国の都市が1位と2位を占める一方、最も影響力のあるAI拠点10都市のうち6都市が東アジアと東南アジアに位置し、ソウルはAIの社会実装で世界首位に浮上


  • 欧州の都市が上位入りを目指して競う中、トップ10に入ったのはロンドンとパリのみ

ロンドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --オブザーバーは、「AI Cities Index」を初めて公表しました。これは、世界のAI競争を主導する都市を明らかにする、この種のものとしては初のレポートです。






今回のランキングでは、36か国の57都市を対象に、AIへの投資(AIに対する公的投資、民間投資、制度面での投資を評価)、イノベーション(将来のAI開発・活用能力の向上を示す画期的な技術革新を評価)、社会実装(AIの活用に必要な機関・システムの整備状況と、実務を担う人材の確保状況)の水準に基づいてスコアを算出しました。


世界のAI開発に関する分析の多くは国単位で行われていますが、本レポートではさらに踏み込み、どの都市圏がこの分野の成長を真にけん引しているのかを探っています。今回の調査結果は、7年間にわたりAIの影響を国単位で比較評価してきた「Global AI Index」を基にしています。


ポイント1:東アジアの都市がAIの覇権を巡り米国に挑む


サンフランシスコとニューヨークが、AI分野で世界をリードする都市として、同指数の総合ランキングでそれぞれ1位と2位を占めました。サンフランシスコは、イノベーション、投資、革新的なAI技術を社会に効果的に取り入れる能力で他の主要都市を上回り、ニューヨークも全項目でトップクラスのスコアを獲得しました。しかし、今回の調査は、東アジアの都市が米国を猛追していることを示しています。


資金の誘致では依然として米国の都市が優位に立っていますが、AIの社会実装、インフラ、AIの活用を支える環境の充実度では、東アジアの拠点都市が米国の一部の都市を上回っています。同ランキングによると、AI分野で世界をリードする都市の60%が東アジアと東南アジアにあり、該当するのはソウル、東京、シンガポール、上海、深圳(深セン)、北京です。


イノベーションでは、中国の都市と米国のテクノロジー拠点の一騎打ちとなっています。サンフランシスコがランキング首位に立ち、北京が2位、ニューヨークが3位、深圳が4位と続いています。


より広範な調査によると、2023年には31.6%に達していた中国と米国のAIモデルの性能差は、わずか2.7%にまで縮小しています。フロンティア・モデルの開発数では米国が中国を上回っているものの、性能差は縮小しています(2025年は米国が50モデル、中国が30モデル。ただし、中国の開発数は前年の2倍となりました)。


ポイント2:ソウルがAIの一大拠点として台頭


ソウルは、AI分野で米国外の都市の中でも際立った存在となっています。韓国の首都である同市は、AIの社会実装で世界1位となっています。同指数のこの項目では、企業、行政、教育、地域社会でAIを活用するために必要なインフラ、機関、システムが、都市にどの程度整備されているかを評価しています。


同市は、社内のAI専門人材の確保やインフラの整備に充てる予算が不足している中小企業を支援するため、ソウルAIイノベーション協議会を設置しました。また、韓国の半導体設計・製造の多くが首都に集中しており、ソウルには、世界をリードする半導体メーカーであるサムスンとSKハイニックスを含め、約200社の半導体企業が本社を置いています。両社の時価総額はいずれも1兆米ドルを超えています。


社会実装のランキングでは、東京が3位、シンガポールが5位となり、上海、深圳、北京も世界トップ10に入っています。ソウル、シンガポール、北京などの都市が、公共部門でAIを大規模に活用するために必要な制度的な基盤を整備している一方、サンフランシスコとニューヨークからの報告では、AIの導入が依然として試験運用の範囲にとどまり、取り組みも個別に分散していることが示されています。


対照的に、テルアビブやドバイなど、技術力の高さと政府の強力な支援で知られる都市は、AIの社会実装でトップ10入りを果たしていません。


ポイント3:AI施策の展開で東アジアが米国を上回る


同指数は、世界のAI分野におけるリーダーシップには2つの形があることも明らかにしています。ランキングに入った米国の都市には、画期的な技術革新を生み出し、投機的な投資を収益につなげるために構築されたエコシステムが見られる一方、東アジアと東南アジアの都市は、既存のAI技術を行政サービス、工場、小規模企業へと積極的に導入しています。市場では、北京の国家AI基金、シンガポールの国家AI戦略2.0、日本の経済産業省(METI)による施策、ソウルのStargateイニシアチブといった国家主導の取り組みが、この傾向を裏付けています。


東アジアでは、AIエコシステムもより分散していると見られます。中国では北京、深圳、上海の3都市が世界トップ10に入っており、サンフランシスコに極端に集中している米国のエコシステムとは対照的です。


オブザーバーのテクノロジー担当編集者であるパトリシア・クラークは、次のように述べました。


「拡大し続けるAIの影響範囲を、国単位の枠組みを超えて可視化したのは、今回が初めてです。


予想どおり、サンフランシスコはテクノロジーとイノベーションの中心地としての名声を保っています。しかし、東アジアの強さは、国家が構築した研究主導型のエコシステムが力を増していることを反映しています。特に、活況を呈するソウルのAI経済は、AIの研究、インフラ、導入への継続的なトップダウン型の投資によって築かれています。


この指数が明らかにしているのは、AIの勢力図が、もはや国を単位としたものではないということです。その勢力図は、都市を中心に描き直されつつあります。今後、AIを巡る最も重要な意思決定の一部は、ワシントンや北京ではなく、ソウル、深圳、その他いくつかの新興拠点で行われるかもしれません。」


AI Cities Indexの全容は、こちらのリンクからご覧いただけます。


編集者向け注記


オブザーバーについて


オブザーバーは、1791年創刊の世界最古の日曜紙です。2025年4月にトータス・メディアがガーディアン・メディア・グループから買収しました。編集長ジェームズ・ハーディングの下、紙媒体として培ってきた伝統と、ニュース報道や分析におけるトータスのスロー・ジャーナリズムの手法を融合させ、独立した新聞として運営されています。


評価方法


AI Cities Indexは、世界57都市を対象に、定量データと定性的な実地調査に基づく50の指標で構成される複合指数です。オブザーバーのAI Indexチームは、技術専門家や関連分野の専門家から成る諮問委員会などと幅広く協議した上で、指数の設計、評価方法の策定、指標の選定を行いました。


本指数は、AI能力についてGlobal AI Indexと同じ基本的な考え方に基づきつつ、各国の都市レベルのAI能力をより詳細に捉えています。本指数では、都市のAI能力を、AIの創出・開発、AIへの資金提供、AIの導入・活用に関する実績に裏付けられた能力と定義しています。


毎年、改訂と改善を重ねることを想定しています。


AI Cities Indexを構成する50の指標は、以下の条件を満たしていることから選定されています。



  • 人工知能の重要な進展と密接に関連し、その進展に大きく貢献していること


  • 容易に入手できる公開情報に基づいていること


  • 最新のデータ・ソースを使用していること


本指数の各指標は、3つの主要な評価項目を軸に、関連するテーマごとに分類されています。



  • 社会実装:企業、行政、教育、地域社会でAIを活用するために必要な機関・システムの整備状況と、実務を担う人材の確保状況を把握します。この評価項目は、インフラとAIの活用を支える環境という下位項目で構成されています。


  • イノベーション:将来のAI開発・活用能力の向上を示す画期的な技術革新を把握します。この評価項目は、研究、開発、ビジネス・エコシステムという下位項目で構成されています。


  • 投資:AIに対する資金面および制度面での投資状況を反映します。この評価項目は、公的投資と民間投資に分かれています。


評価方法の全容は、こちらからご覧いただけます。


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