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DICによる、保有する美術品の中でも最も経済的価値の高い美術品を川村氏と極めて密接な関係にある会員制クラブの国際文化会館施設に移設する計画をオアシスは非難


オアシス・マネジメント・カンパニーは、DIC株式会社の美術品移設の決定に強い懸念を表明しています。DICはロスコの壁画を含む美術品を国際文化会館に移設することを決定しましたが、この会館は川村喜久氏と密接な関係にあります。オアシスは、この決定がコーポレートガバナンスに問題があり、DICの資本配分として不適切だと批判しています。DICの時価総額の約1/3に相当する資産をこの決定に投じることは不適切とし、透明性や利益相反の問題を指摘。オアシスはDICの株主に重要な投票を求めるとともに、追加の質問状を送付しています。さらに、DICがこれまでにオアシスの質問に回答していないことも問題視されています。

(証券コード:4631 JT)

* 川村喜久氏と極めて密接な関係にある国際文化会館の会館建物内にDICの保有するロスコのシーグラム壁画を始めとした美術品を移設するDICの決定にオアシスは極めて強い懸念

* 「対立する人々の心に静かな内省をもたらし、共感の輪を広げ」ることにはオアシスは賛同するものの、上場企業資産を1,000億円以上用いて行うべきことではないとオアシスは思料。一連の決定は資本アロケーションにおける決定的な過誤であるとオアシスは考える。DICの時価総額は3,100億円であることを踏まえるとこれら一連の戦後アメリカ美術はDICの時価総額の1/3以上を占め、資本の使用方法として極めて不適切

* DICや国際文化会館に助言を提供するために選任された「有識者・アドバイザー」の多くは川村氏と極めて密接な関係にある

* DICの一連の行動は株主に帰属する財産を取り上げ、当該財産及び/又はその支配権を実質的に川村喜久氏、そして川村氏に近しい人々や組織の影響下に置こうとする試みであるとオアシスは評価

* オアシスはDIC株主に対し、会長の猪野氏と社長の池田氏の再選に反対すると共に、関連当事者取引の監督を強化するオアシスによる株主提案である定款変更議案に賛成するよう要請

* オアシスの公開質問状に対して今日に至るまでDICは未だ回答を提供せず。オアシスは更なる公開質問をDICに送付

詳細はDICcorpgov.comでご確認ください。

香港--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッド(以下「オアシス」といいます。)は、インキ及びその他の化学品の製造・販売を行うDIC株式会社(4631 JT)(以下「DIC」または「同社」といいます。)の株式を約11.5%保有するファンドの運用会社です。オアシスは「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》を遵守しており、この原則に沿ってオアシスは投資先企業のモニタリングとエンゲージメントを行っております。

オアシスはDICの大株主として、川村喜久氏の長期間の取締役在任がもたらしてきたコーポレート・ガバナンスの不全と、その地位から生じる利益相反に重大な懸念を抱いてきました。

このような利益相反の懸念の最新の事例として、2025年3月12日にDICが発表した、国際文化会館と提携し、国際文化会館が建設する新施設にDICが所有する美術品を移設する決定が挙げられます。国際文化会館は六本木にある建物(本文では、財団を「国際文化会館」、物理的な建物を「会館建物」と呼称します。)に所在し、会館建物を運営する会員制のクラブです。国際文化会館が川村氏と密接な繋がりを有している中で、DICが国際文化会館と提携するという決定を行ったことにオアシスは非常に大きな懸念を抱いています。

国際文化会館の会員であるように見受けられる川村喜久氏が国際文化会館と非常に親密な関係にあるとオアシスは理解しています。川村喜久氏が国際文化会館の単なる会員を超えた、国際文化会館と親密な関係を築いていることを示唆する事実として以下が挙げられます:

  • 川村喜久氏は国際文化会館と極めて密接な関係を有する団体であるAsia Society Japan(以下「ASJ」といいます。)の創設メンバーであり、ASJの芸術及び文化委員会(“Arts and Culture Committee”)の委員を務めています
    • ASJは国際文化会館とAsia Societyの間の協定に基づいて日本に設置されています
    • 国際文化会館の理事長である近藤正晃ジェームス氏がASJの代表理事(“Representative Director”)を務めており、国際文化会館とASJは同一の者が代表者を務めています
    • ASJの創設時からASJはその所在を会館建物内に置いています。つまり国際文化会館とASJは同一の住所に設置されております
    • 国際文化会館とASJが主催するプログラムの多くが二者の間での共催となっています
    • また、ASJの芸術及び文化委員会の共同委員長を務めるジェニファー・ロジャーズ氏は国際文化会館の評議員を務めています
  • 川村喜久氏は、国際文化会館と密接な関係のある団体であるASJが共催し、会館建物内で開催された「日本伝統工芸再生コンテスト」の審査員を務めていました
  • 川村家が支配する財団法人である一般社団法人川村文化芸術振興財団は、会館建物内で式典等を複数回に亘り開催しています
  • ニューヨーク大学スターン校の卒業生であるところの川村喜久氏は、同校の卒業生組織の幹事として「ニューヨーク大学スターン日本同窓会総会・懇親会」を会館建物内で主催しています

またDIC及び国際文化会館が「諮問・協力を得」るために選定した「有識者・アドバイザー」の多くは川村喜久氏と極めて密接な関係にあります。(下記における下線はDICが選定した「有識者・アドバイザー」)

  • アドバイザーとして選任されている大林剛郎氏は川村家が支配する川村文化芸術振興財団の評議員を務めています
  • 一方川村喜久氏は、同じく選任アドバイザーである森京子氏と共に、大林剛郎氏の一族が支配する公益財団法人大林財団の評議員を務めています
  • 加えて、大林剛郎氏森京子氏が理事長を務め、森一族が支配する森美術館の評議員を務めています
  • また、同じくアドバイザーに選任されている片岡真実氏は森美術館の館長であり、森京子氏の部下であると共に、国際文化会館の評議員でもあります
  • 川村喜久氏は「ポストコロナ・アーツ基金」の実行委員会の事務局長兼発起人であり、当該基金には、寺田航平氏大林剛郎氏、及び森京子氏の母親である森佳子氏が共同発起人として名を連ねています

DICの一連の行動は株主に帰属する財産を取り上げ、当該財産及び/又はその支配権を実質的に川村喜久氏、そして川村氏に近しい人々や組織の影響下に置こうとする試みであるとオアシスは評価しています。

株主利益との明確な利益相反を受けて、オアシスはDICの株主に対して、来る定時株主総会において以下の投票行動を行うよう要請いたします。

  • 会長の猪野氏に加え、一連の決定を主導した社長の池田氏の再任への反対
  • オアシスによる株主提案である、関連当事者取引の監督を強化する定款変更議案への賛成

加えて、DICはオアシスが2023年3月3日に行い、2025年3月10日を期限とした公開質問に対して今日に至るまで回答を行っていません。既にオアシスから提示されている13の質問に加えて、2025年3月17日までに、以下の質問に回答するようにオアシスはDICに要請します。

14.

過去の開示において、DICは「利益相反を避けるため創業家出身の川村取締役は美術品や美術館に関する取締役決議には参加していない」としています。川村氏は取締役会における議論への参加状況及び、助言の提供等を含むその他の方法で議論に影響を与えた事実の有無をご回答ください。

15.

DICは「有識者・アドバイザー」をどのように選定したのでしょうか?これら「有識者・アドバイザー」は川村喜久氏からDICに紹介されたのでしょうか?

16.

DICはどのように国際文化会館を提携先として選定したのでしょうか?DICは川村喜久氏による紹介によって国際文化会館との接点を得るに至ったのでしょうか?

17.

取締役会、特に社外取締役は国際文化会館、ASJと川村氏の密接な関係性及び、「有識者・アドバイザー」と川村喜久氏の間の密接な関係性を認識していたのでしょうか?

18.

川村喜久氏は国際文化会館やASJにおいて、通常どのような役割を担われ、またDICと国際文化会館のパートナーシップ締結にあたってどのような役割を担われたのでしょうか?

19.

DICは美術品の所有権を維持し続けるのでしょうか。また、美術品について何らかの制約が課されるのでしょうか?美術品に何らかの制約が課される場合はそれに対してDICはどのような補償を受け取るのでしょうか?

詳細については、DICcorpgov.comをご覧ください。DICのコーポレート・ガバナンスをより良くするために、すべてのステークホルダーがオアシスの連絡先info@DICcorpgov.comに連絡することを歓迎します。

***

オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、さまざまな国やセクターにわたる幅広いアセットクラスの投資機会にフォーカスしている投資ファンドです。オアシスは、現在最高投資責任者 (CIO) を務めるセス・H・フィッシャーによって2002年に設立されました。オアシスに関する詳しい情報は、https://oasiscm.comをご覧ください。オアシスは日本の金融庁の「責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)」を遵守し、この原則に沿って投資先企業のモニタリングおよび、エンゲージメントを行っています。

本プレス・リリースの情報と意見は、Oasis Management Company Ltd(以下、「オアシス」とする)が情報提供目的またはご参考に供する目的でのみ提供するものです。本プレス・リリースは、受領者に対して、 オアシスと共同して特定の会社の株券その他の金融商品取引法における大量保有の状況等に関する開示制度の対象となる有価証券を取得し、若しくは譲渡し、又は議決権その他の権利を行使することを勧誘あるいは要請するものではありません。そのような共同行動をとる株主は大量保有の状況等に関する開示制度の共同保有者とみなされ、共同保有者は一般への情報開示のために合算した保有株式数を関係当局に報告しなければなりません。オアシスは、そのような報告が必要とされる共同保有者としての合意を明示的に締結する例外的な場合を除き、共同保有者としての報告義務を発生させる一切の行為を行わないことをご了承ください。 なお、本書の内容は、オアシスの所見、解釈、および評価にとどまります。


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