東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --キオクシア株式会社は、高いオン電流と極低オフ電流を両立する酸化物半導体トランジスタを用いた新しいDRAM(OCTRAM:Oxide-Semiconductor Channel Transistor DRAM)技術を開発しました。このOCTRAMは低いオフ電流という特徴により従来のDRAMよりも低消費電力化が期待されます。本技術は、米国サンフランシスコで開催されているIEEEの電子素子に関する国際会議IEDM(International Electron Devices Meeting)にて、12月9日(現地時間)に発表しました。本開発成果は台湾南亜科技社との共同開発にて得られたものです。今回開発したOCTRAM技術を用いることで、AIやポスト5G情報通信システムで利用される大規模メインメモリが搭載されるサーバーやIoT製品などの幅広いアプリケーションにおいて低消費電力化を実現する可能性があります。
OCTRAMは、縦型に円筒形で形成された酸化物半導体(InGaZnO)[注1]トランジスタ(図1)をDRAMのセルトランジスタに採用しました。4F2 レイアウトが可能となり、従来のシリコントランジスタを用いた6F2 レイアウトのDRAMより大容量化が期待できます。
また、InGaZnOトランジスタの製造プロセスと構造を最適化することにより、高いオン電流(15μA/cell[注2])と非常に低いオフ電流(1aA/cell(アトアンペア)[注3])を実証しました(図2)。OCTRAMでは、キャパシタの上にInGaZnOトランジスタを形成する「キャパシタ1stプロセス」を採用し、先進キャパシタ技術とInGaZnOトランジスタ技術を組み合わせた構造とすることに成功しました。(図3)
[注1] In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)、O(酸素)により構成される酸化物半導体
[注2] 15μA/cell(マイクロアンペア) =1.5 x 10-5 A/cell
[注3] 1aA/cell(アトアンペア)= 1.0 x 10-18A/cell
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