川崎--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 東芝デバイス&ストレージ株式会社は、エアコンや産業用機器の大型電源などに使用される力率改善(PFC)回路[注1]向けに、650V耐圧のディスクリートIGBT「GT30J65MRB」を製品化し、本日から出荷を開始します。
近年、カーボンニュートラルをはじめとする省エネルギーの取り組みの中でパワー半導体は重要なデバイスとして注目されています。特に消費電力の大きい家電、産業機器においては、エアコンのインバーター化率の増加や産業機器用大型電源の低消費電力化が進み、高効率のスイッチングデバイスの需要が拡大しており、低損失化とPFC回路でのスイッチング周波数の増加対応が求められています。
新製品 GT30J65MRBは、トレンチの微細化など内部構造を最適化した最新プロセスの採用により、業界トップクラス[注2]の低スイッチング損失(ターンオフ損失) 標準0.35mJ[注3]を実現しました。当社既存製品[注4]と比べて約42%[注5]低減しています。さらに、ダイオード順電圧を標準1.20V[注6]に抑え、当社既存製品[注4]と比べて約43%[注6]低減しています。
エアコンのPFC回路の場合、当社既存製品[注4]は40kHz[注7]程度以下の周波数で使用されています。GT30J65MRBは、スイッチング損失(ターンオフ損失)の低減により、当社PFC向けIGBTとして初めて60kHz[注7]動作も可能な製品です。
当社は、今後も市場動向に合わせてラインアップを拡充し、機器の高効率化に貢献します。
[注1] PFC(power factor correction)回路:力率改善回路。スイッチング電源で発生する高調波成分を抑制するために電圧と電流の位相差を小さくして力率を1に近づける回路。
[注2] 2023年3月時点、当社調べ。
[注3] 測定条件:誘導負荷、VCE=400V、IC=15A、VGE=15V、RG=56Ω、Tc=175°C
[注4] 当社既存製品GT50JR22
[注5] 2023年3月時点、当社実測値。(@VCC=400V、IC=15A、VGG=+15V/0、RG=56Ω、Tc=175°C)
[注6] 測定条件:IF=15A、VGE=0V、Tc=25°C
[注7] 2023年3月時点、当社PFC評価基板による実測値。
■応用機器
・家庭用電気製品 (エアコンなど)
・産業用機器 (ファクトリーオートメーション、マルチファンクションプリンター など)
■新製品の主な特長
・最新プロセスの採用により、業界トップクラス[注2]の低スイッチング損失(ターンオフ損失): Eoff=0.35mJ[注3] (typ.)
・逆導通 (RC) 構造によるフリーホイールダイオード (FWD) 内蔵
・スイッチング時間 (降下時間) が早い : tf=40ns (typ.) @Tc=25°C、IC=15A、RG=56Ω
・ダイオード順電圧が低い : VF=1.20V (typ.) @Tc=25°C、IF=15A、VGE=0V
■新製品の主な仕様
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新製品の詳細については下記ページをご覧ください。
GT30J65MRB
当社のIGBT製品の詳細については下記ページをご覧ください。
IGBT
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GT30J65MRB
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